エイジアン・タビーはイギリスで作られました。

品種として公認されたのは1980年後半ですから比較的新しい猫種です。

エイジアン・タビーの“エイジアン”とは猫の品種名ではなく、同じ基礎猫から生まれたそれぞれ違う特徴を持つ猫たちのグループの名称です。

エイジアングループの中のタビー(縞猫)それがエイジアン・タビーです。

■エイジアン・タビーってどんな猫

エイジアングループの基礎猫はオスがチンチラペルシャでメスはバーミーズです。

グループの猫たちはそれぞれの基礎猫のよい部分をのばすように育種(交配を重ねてひとつの猫種として確立させていくこと)されてきました。

エイジアングループには5種類の仲間がいます。

バーミラ_Burmilla、セルフ_Self、スモーク_Smoke、タビー_Tabby、ティファニー_Tiffanieです。

それぞれの特徴は

○バーミラ_Burmilla

一本の毛の地色がシルバーかクリーム色で、毛先の半分から四分の一くらいにブラックまたはライラックが入っています。

一本の毛が2色で色分けされています。

バーミラはグループの中で一番最初に確立されました。

バーミラを元にして他の4種の子達がつくり出されました。

バーミラ_Burmillaという名前は基礎猫のバーミーズ_Burmeseの「Burm」とチンチラペルシャ_Chinchillaの「illa」を組み合わせたものです。

○セルフ_Self

一本の毛色は混じりけのないソリッドカラー(単色)です。

色はブルー、チョコレート、ライラック、レッド、ブラックなどがいます。

ブラックはブリティッシュ・ボンベイ(※ボンベイの亜種)と呼ばれています。

※ボイベイは1960年代にアメリカでつくられた、黒豹のような姿の黒猫です

○スモーク_Smoke

トップコート(毛皮の外側の毛)は黒、その下が半分くらいの長さのシルバーのアンダーコート(内側の毛)で全身がおおわれているためスモークがかかったような印象を受けます。

○ティファニー_Tiffanie

毛色やタビーの形は問わずセミロングであることが条件です。

○タビー_Tabby エイジアン・タビー

タビー(縞模様)はその毛色でさらに4つのステージに分けられています。

・ティックド……tickedは一本の毛が2色以上で色分けされていることです。

タビーといっても縞模様には見えず全身にグラデーションがかかったように見えます。アビシニアンが基礎猫に加わっています。

・マックレル……mackerelとは魚のサバのことです。

サバのような縦の切れ目のない縞模様がボディの両側面にあります。

・スポット……ヤマネコのようにタビーの長さが短くてが斑点模様になっています。

・クラッシック……アメリカンショートヘアに見られる縞模様です。

目玉のようなブルズ・アイ。蝶が羽を広げたようなバタフライなどがあります。

○身体測定と寿命

エイジアン・セルフは個体にによって体型にも差が見られますが、基本的に丸みがあって筋肉質です。

体のわりには手足と尻尾が細くて長いので優しい感じを受けます。

性格もおっとりと優しいので見たままの猫といえるでしょう。

体重は

3〜7kg

最初の品種バーミラが正式に登録されたのが1985年。

他の亜種の登録は更に遅れます。猫の平均寿命は15年とされていますから、エイジアングループに属する猫で寿命を迎えたものは2世代だけです。

飼育頭数も多いとはいえないためハッキリとした寿命が公開されていません。

基礎猫であるバーミーズの寿命は13〜15歳と平均値。

もう片方のチンチラペルシャは15〜20年と長生きです。

その血を引くエイジアン・タビーの寿命は平均値かそれ以上なのではないかと考えます。

■エイジアン・セルフの歴史

1981年のイギリスで、同じ家に飼われていたチンチラペルシャのオスとバーミーズのメスが飼い主の隙をついて交配してしまいます。

そして生まれた4匹の仔猫たちはどの子も素晴らしい銀色の毛色を持っていました。

この特徴をなんとか猫種として確立できないかと考えた飼い主は、ロシアンブルーやバーミーズのブリーダー、遺伝学者、猫血統登録団体GCCF_Governing Council of the Cat Fancyの協力を得て育種に着手します。

それぞれに違った特徴を持った4匹でしたが、同じ基礎猫の子であることからひとつのグループとして育種が進められることになりました。

これが『エイジアングループ』です。

育種を進めてからわずか2年後には品種のスタンダードが決められ、1985年にはグループから生み出されたバーミラがGCCFに新猫種として公認されます。

同じ年、エイジアングループ愛好家協会_The Aisian Cat Associationが設立され飼い主から育種を引き継ぎました。

バーミラを元にさらなる交配が重ねられ、4つの亜種が生まれます。

その中のひとつがエイジアン・タビーです。

2000年代の初めには欧米各国への輸出も始まり、エイジアングループの猫たちは世界的に認められる存在になっています。

■エイジアン・タビーの性格は?

日がな一日を寝て過ごすチンチラペルシャの血と人なつっこいバーミーズの性格を引き継いで、活発に行動する穏やかで賢い猫になりました。

声が大きくて、大きな物音が苦手ですが、それが問題にならない環境なら飼いやすい子だといえます。

○エイジアン・セルフの体の特徴

・毛……バーミラをさらにバーミーズと交配させて生まれているので短毛種です。

でも片方の基礎猫であるチンチラペルシャの性質もしっかりと残っていて毛の量はタップリと密集しています。

・目……イエローからグリーン

・顔……ピンとした大きめの耳、アーモンド型の眼

・体型……まるっとした筋肉質です

・手足……細めです

・尾……細く長くまっすぐです

■エイジアン・タビーと暮らすポイント

エイジアングループの猫たちの認知度は高くなっていますが、日本国内ではまだまだです。

グループで一番早く認定され、人気も一番のバーミラですら国内で扱っているところが見つかりません(ネット検索において)。

エイジアン・タビーと暮らすためにはまず猫自身を手に入れる方法を探す必要があります。

○仔猫の入手方法

取扱先が見つからないといっても、日々変化しているペット業界ですから、今日はネットでも見つけることができなかった品種が、明日にはホームセンターのペット売り場に並んでいるなんていうことも珍しくありません。

現時点でエイジアン・タビーを手に入れる方法は海外のブリーダーにお願いするしかないようです。

ネットで「The Aisian Cat」「The Aisian Tabby」と検索すればいくつもの売主がヒットします。

Skypeなどで直接対話も可能ですし、支払もクレジットカードやPayPal、日本の金融機関の海外支店への送金などで対応できます。

しかし輸入するものがペットとなると話が違ってきます。

生き物の輸入には「検閲」という壁が待っているからです。

日本の法律で動物には180日の待機期間が必要になっています。

期間中は検疫所で預かってくれますが、その費用は10kg未満の小型犬で1泊/2600円です。

その他にもマイクロチップの埋め込み、予防注射、輸出前検査、輸出国発行の証明書など数々の手順をふまなくていけません。

エイジアン・タビーを手に入れるなら、日本の個人輸入代理店にお願いするのがおすすめです。

犬猫専門に取り扱っている業者もいて、かなり難易度の高い品種でも手に入れているようですから相談する価値はあると思います。

○特徴にあわせた飼い方

エイジアン・タビーの基礎猫はチンチラペルシャとバーミーズですが、活動的で人なつこいところ、筋肉質の体格などバーミーズの特性が強く残っているようです。

情報が少ない猫ですが、飼うにあたってバーミーズと同じような環境を用意してあげればいいでしょう。

・食事……高タンパクで低カロリーの食事を用意します。

毛の量が多いので毛玉対策も必要です。

・居住空間……チンチラペルシャの血筋か、人なつっこいわりに飼い主への依存度は高くありません。

いつでも膝に乗ってくるというよりも、少し離れたところにいつもいる、そんな感じの猫です。

運動量は多いので立体的に動けるキャットタワーのような施設と、ひとりで寛ぐことができる居場所つくってください。

一般論としてエイジアンは鳴き声が大きく、車のクラクションなど大きな音が苦手ということになっています。

実際にバーミラを飼っている人が「うちの子は静かだ」という体験談をネットにかき込んでいることからみても当然個体差はありますが、防音のしっかりしていない集合住宅には向いていないかもしれません。

・トリミング……毛が密集しているので週に2〜3回はブラッシングしてください。

エイジアン・タビーの毛は手や布でなぜればつやつやと輝きます。

毛の生えかわる時期には毎日のケアを忘れずに。

○健康上の注意点

グルーミング時に飲み込んでしまう毛の量が多いので「毛球症」にかかることが多い品種です。

毛球症は胃の中で抜け毛がフェルのように固まってしまい、胃の粘膜を傷つけたり、腸閉塞を引き起こしたりします。

重症の場合は開腹手術で毛玉を取り出さなくてはいけないこともあります。

たかだ抜け毛と油断しないでください。

毛が密集していますから夏の暑さも苦手です。

エアコンなどを適切に使って熱中症を予防しましょう。

○気をつけたい病気

ペルシャ系の血を引いている猫がかかりやすい病気に多発性のう胞腎があります。

腎臓の内壁に水疱ができてその機能を徐々に奪っていき、最後には慢性腎不全を引き起こす怖い病気です。

遺伝による要因の場合が多いため予防はできません。

かかってしまえば治療することができず、対処療法で進行を遅らせることしかできません。

しかし早めに治療にとりかかれば症状が軽い状態を持続していくことができます。

■エイジアン・セルフ向けのゴハン

猫の体は植物性の食べ物から栄養をとることができません。

原材料のほとんどが穀物のキャットフードを与え続けると内臓への負担が大きくなってしまいます。

エイジアン・タビーには高タンパクで低カロリーのグレインフリーのキャットフードを与えてください。

同時に毛玉を排泄する食物繊維や体に必要なビタミン、ミネラルを配合した副食を準備しましょう。

■ペット保険の必要性

エイジアン・タビーのかかりやすい毛球症や多発性のう胞腎の治療には高額の医療費がかかります。

重い病気でなくても風邪を引いたり、お腹を壊したり、ケガをしたりと年間にかかる医療費は馬鹿になりません。

転ばぬ先の杖、ペットを飼ったら早い段階でペット保険に加入しましょう。

ペットにも加入の年齢制限があります。

加入するときは通院・入院・手術すべてをカバーしたものを選んだほうがよいでしょう。

■ペットローン

エイジアン・タビーの入手にはかなりの金額がかかります。

でも15〜20年の寿命を考えたらそれほど高い初期投資ではないともいえます。

ペットの購入でまとまった現金を用意したいときはペットローンの利用も考えてみてください。

高額の資金が必要なときは銀行のペットローンがおすすめです。

審査は厳しいですが、その分金利は低く設定されています。

■まとめ_飼い主に求められるもの

エイジアン・タビーは毛色も美しく、スラッとして優雅なのにとても愛嬌のある姿をしています。

まるっとした体からにょきっと生えている感じの手足と尻尾がそういうイメージを抱かせるのでしょう。

実際の性格もイメージ通りの猫ですから、一緒に暮らすことができたら毎日がとても豊かになるとも思います。

世界的な人気が高まっているエイジアングループの中のひとりですから、日本で普通に出会える日も近いと信じています。