エイジアン・セルフはイギリス生まれ。『エイジアン』という品種グループの中の1亜種です。

エイジアングループはチンチラとバーミーズとの間に生まれた4匹の子どもを起源とする【バーミラ、セルフ、スモーク、タビー、ティファニー】という5つの亜種で構成されています。

それぞれ異なる毛色の特徴を持っている中で「セルフ」はソリッド_単一色の被毛をまとった猫の呼び名です。

■エイジアン・セルフってどんな猫

エイジアン・セルフの“エイジアン”というのは正式な品種ではありません。

源流は同じですが、それぞれ特徴のある被毛を持った猫たちで作られたグループの名称です。

エイジアングループは、バーミラ_Burmilla、セルフ_Self、スモーク_Smoke、タビー_Tabby、ティファニー_Tiffanieの5種類で構成されています。

エイジアン・セルフは、姿、性格とも、その元祖となったチンチラペルシャとバーミーズのよい部分を受け取った飼いやすい猫です。

○身体測定と寿命

エイジアン・セルフは中型の猫です。筋肉質ですが全体に丸みがあり、手足も細くて性格通りの優しい印象です。

体重は

3〜7kg

寿命についてハッキリとした記録がありません。

元になった仔猫たちが生まれたのが1981年。

イギリスの猫血統登録団体GCCF_Governing Council of the Cat Fancyにエイジアングループのバーミラが新猫種として登録されたのが1985年です。

品種として新しいため寿平均寿命が公式に発表されていないのだと思われます。

元の親であるチンチラペルシャとバーミーズから考えてみると、チンチラペルシャの寿命は長く15〜20歳、バーミーズは13〜15歳と猫の平均寿命です。

エイジアン・セルフの寿命は間をとって17歳くらいとしたら乱暴でしょうか。

しかし、今は20歳を越えて生きる猫も増えているので、しっかりとした飼育環境なら猫の平均寿命を大きく越えて長生きしてくれることでしょう。

■エイジアン・セルフの歴史

エイジアン・セルフの所属するエイジアングループの猫たちは偶然の産物です。

1981年・イギリスに住むミランダ・キルヒベルグ夫人の飼い猫チンチラペルシャのジェラミくんは、飼い主の目を盗んで同じ家の飼い猫のバーミーズとの間に仔猫を4匹もうけてしまいます。

この時生まれた仔猫たちガラティア、ジェンマ、ガブリエラ、ジゼラは、ずべてがとても美しいシルバーの被毛をまとっていました。

この美しさを後々まで残しておきたいと考えてたミランダは、遺伝学者やGCCF、ブリーダーたちの協力を得て育種に着手します。

それぞれに違った特徴を持っている4匹の仔猫たちは「エイジアン」というひとつのグループにまとめられ、バーミーズを相手に交配・育種が始まります。

1983年にはスタンダードが示され、翌々年にはグループからバーミラがGCCFに新猫種として公認されています。

1985年にエイジアングループ愛好家協会が設立。

ミランダ夫人から育種を引き継ぎ、2000年代入ると欧米各国への輸出も始まりました。

エイジアン・セルフの直接的な基礎猫はバーミラとバーミーズです。

エイジアン・セルフはボンベイ(※)の亜種であるブリティッシュ・ボンベイの基礎猫になっています。

※ボンベイ=アメリカ原産の黒猫。

1960年代にニッキー・ホナーがバーミーズとアメリカンショートヘアとの交配によってつくりだした。まるで小さな黒豹のような姿をしています。

■エイジアン・セルフの性格は?

そもそもの親元である、おっとりと落ち着いたチンチラペルシャの性格、やんちゃで人なつっこいバーミーズの性格を半々に引き継いでいます

人に甘えすぎることはなく、ちょっと距離を置いていつでもそばにいる、そんな猫です。

○エイジアン・セルフの体の特徴

・毛……長毛種ではありませんが、チンチラペルシャの血を引き継いでたっぷりふっくらしています。

1本の毛に他の色が混ざらないソリッドカラー(単一色)です。ブルー、チョコレート、ライラック、レッドなどが含まれます。

ブラックは「ブリティッシュ・ボンベイ」と呼ばれています。

・目……イエローからグリーン

・顔……ピンとした大きめの耳、アーモンド型の眼

・首……襟毛(ラフ)が立派な子もいます

・体型……まるっとした筋肉質です

・手足……細めです

・尾……長くてまっすぐ

■エイジアン・セルフと暮らすポイント

エイジアン・セルフと暮らすための大きな壁は、まずどうやって猫を手に入れるかです。

その壁を乗り越えれば、愛嬌があって賢い、活動的な猫との暮らしが待っています。

○仔猫の入手方法

ペット業界は日々変化していて、昨日までは手に入りにくかった種類の生き物や品種が、今日になったらホームセンターでも売っている、そんなことが珍しくありません。

エイジアングループを巡る環境もどんどん進んでいくのでしょうが、現時点では日本のブリーダーからエイジアングループの猫を手に入れるのは困難です。

海外に目を向ければ、あちこちでエイジアングループの猫、もちろんセルフを扱っているブリーダーやショップを見つけることができます。

Skypeなどを使って直接のやりとりをすることも可能ですが、たとえ売主との交渉がうまくいっても輸入するのが生き物の場合「検閲」を受けなくてはいけません。

法律で決まっている期間は180日。

その間、ペットホテル並みの預かり代がかかります。

手間と金額を考えると海外にコネクションを持った個人輸入代理店にお願いするのがいいでしょう。

ネット検索をすればペットの輸入代行を請け負ってくれる業者が見つかります。

大概はメールやサイト・フォームでの問い合わせに応じていますので、まずは相談してみましょう。

○特徴にあわせた飼い方

チンチラペルシャとバーミーズの血を引くエイジアン・セルフですが、第一世代をさらにバーミーズと交配させているので、そちらの特徴が大きく出ることが多いようです。

筋肉質で行動的な性格を考えてもバーミーズと同じ環境を考えてあげるといいでしょう。

・食事……比較的活発です。高タンパクで低カロリーの食事を用意します。

・居住空間……人なつっこい性格ですが、チンチラペルシャの血を引いていますから飼い主への依存度はそれほど高くありません。

キャットタワーなどを用意して充分な運動ができ、ひとりですごせる場所を確保してあげてください。

エイジアン・セルフは鳴き声が大きく、車のクラクションなどいきなり大きな音がするとパニックを起こすことがあるようです。

イギリスやアメリカでは「田舎暮らしの猫」といわれているくらいです。

それを考えると防音がしっかりしていない集合住宅向けではありません(個体差はあります)。

・トリミング……短毛種ですがチンチラペルシャの血筋ですから毛の量はタップリです。

毛の生えかわる時期は毎日のブラッシングが欠かせません。

普段は週に2〜3回のブラッシングで充分です。

エイジアン・セルフは手でなぜるだけでツヤツヤになる素晴らしい被毛を持っていますから、日々のケアが楽しみになります、

○しつけ

人なつこく賢いのでしつけは楽です。

○健康上の注意点

毛の量が多いので、胃の中にヘアーボールができる「毛球症」には注意が必要です。

定期的なブラッシングと毛玉排泄を促す食品を与えるなど気をつけてください。

夏の暑さも苦手です。

エアコンなどを適切に使って熱中症を予防しましょう。

○気をつけたい病気

基礎猫であるペルシャ系の猫がかかりやすい病気に多発性のう胞腎があります。

これは先天的な病気で完全に治療することができません。

重症の腎不全にならない対処療法を続けていくことになります。

早期に発見すれば重症化を防ぐことができますので、水ばかり飲んでいたり、頻繁にオシッコをするようなら医師に相談してください。

■エイジアン・セルフ向けのゴハン

猫は肉食動物。

肉や魚から体を維持する栄養も活動するエネルギーも吸収できる体になっています。

それだけに植物性の食べ物を消化吸収するのは苦手です。

エイジアン・セルフのゴハンはグレインフリーのキャットフードをメインディッシュにしてください。

補助的に腸を掃除する食物繊維やビタミンが配合された食品を与えるといいでしょう。

■ペット保険の必要性

もし遺伝的な疾患にかかっていて大きくなってからそれが発症したら、生涯通院を続けることになります。

ペットの医療費には保険がききませんから年間を通せばかなりの金額になるはずです。

大きな病気でなくても純血種はなにかとお医者さんの世話になることが多いのです。

ペット飼ったら早い段階でペット保険に加入しましょう。

加入の際は通院・入院・手術すべてをカバーしたプランがオススメです。

■ペットローン

今、エイジアン・セルフを手に入れるには海外の売主から購入するしか手がないようです。

それにはかなりの出費を覚悟しなくてはいけません。

売主への支払、輸送費、検閲にかかる費用を考えると30万円以上の出費になると思います。

購入費を用意するためにペットローンの利用も考えてみてください。

銀行のペットローンなら金利も低いので高額を借りるのであれば他のローンよりもこちらのほうがいいと思います。

■まとめ_飼い主に求められるもの

エイジアングループの猫たちは日本で見かけることはほとんどありません。

グループの中で一番人気があり、知名度が高いバーミラも、ネットで見る限り仔猫を提供しているブリーダーはいません。

それでもエイジアン・セルフを飼ってみたい。

それだけの熱意がある人がエイジアン・セルフと一緒に暮らすことができれば、鳴き声も、大きな音に驚く性格も、全然に気にせず暮らすことができる猫本位の環境を整えてくれるに違いありません。

猫にとっても飼い主にとっても幸せな日々が待っていることでしょう。