全てのイエネコの祖先は“リビアヤマネコ”です。

ヤマネコの特徴はヒョウを思わせる斑点模様=スポテッドタビー。

いつかはスポテッドタビーの美しいワイルドキャットな子を飼ってみたい。

そんな猫好きの思いが結集して生まれたのがオーストラリアン・ミストです。

日本での知名度はまだまだですが、世界では徐々に注目が高まっています。

■オーストラリアン・ミストってどんな猫

オーストラリアン・ミストは新しい品種です。

1970年代後半にオーストラリアで生まれました。

アメリカンショートヘア(ミックスの縞猫だともいわれています)、バーミーズ、アビシニアンの特徴を兼ね備えています。

なんといっても印象的なのは独特の毛色、ミストのベールに覆われたスポテッドタビーです。

アメリカンショートヘアからスポット模様を、バーミーズから体型と毛色を、アビシニアンからミストの印象をつくり出すティッキングと性格を引き継ぎました。

人なつっこい性格で甘えん坊

それなのに忍耐強く誰とでも共存できるイエネコの中のイエネコといえるパーフェクトキャットです。

○名前の由来

当初は、ワイルドなスポットタビーを霧がかかったような被毛がおおっている様子から「スポッテッド・ミスト」と名付けられました。

1998年にオーストラリアを冠した現在の名前「オーストラリアン・ミスト」に改名されています。

○身体測定と寿命

体重は

平均で3.5〜6kgと中型のサイズ

寿命は15〜19歳です。

個体の持つ元の性質もありますが、飼育環境次第でもっともっと長生きすることができます。

■オーストラリアン・ミストの歴史

オーストラリアの医師トゥルーダ・ステードは、ワイルドキャットのような斑点模様のイエネコをつくり出したいという思いを叶えるため人為的な交配実験を続けました。

交配に使われたのがアメリカンショートヘア(ミックスのタビー=縞猫だともいわれています)、バーミーズ、アビシニアンです。

そして誕生したのがオーストラリアン・ミスト。

世界の猫好きの間では人気が高まってきているオーストラリアン・ミストですが、純血種としての登録は団体ごとにまちまちで、まだまだこれから売り出し中の新人キャットです。

■オーストラリアン・ミストの性格は?

穏やかで人なつこく、忍耐強い性格です。

人とふれあうのが大好きで、隙あらば膝に乗ろうと狙っていて、テーブルの上に飛び乗り読みかけの新聞をグチャグチャにするのも得意です。

我慢強いので、他の猫に構われても攻撃的な態度をとりません。

ですから多頭飼いにも向いていますし、小さな子供がいる家庭でも安心して同居することができます。

○オーストラリアン・ミストの体の特徴

・毛……“ミスト”という魅惑的な名前は毛色からきています。

ワイルドキャットを思わせるスポットの上に、霧_ミストがかかったような印象を与える被毛はアビシニアンから受けついだティッキング(※)のおかげです。

ブルー、ブラック、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチの6色。

ティッキングの入ったスポッテッド・タビーです。

毛並みが整うに2〜3年かかります。

※ティッキング=一本の毛が複数の毛色に色分けされていること

・目……大きい。色はゴールドなど

・顔……丸顔で、縞模様

・体型……バーミーズの特徴を引き継いだフォーリンタイプ(スッとしたやや細めの体型)。体の両側にスポットが入っています

・手足……リングか縞模様

・尾……リングか縞模様が入っています

■オーストラリアン・ミストと暮らすポイント

○仔猫の選び方

オーストラリアン・ミストの最大の特徴である毛並みは仔猫の時にはハッキリしていません。

毛並みが美しく整うには2年から3年かかるといわれています。

素人目では判断できないので信頼のおけるブリーダーから入手することをおすすめします。

○特徴にあわせた飼い方

人なつこさでは右出る猫はいないかもしれません

許されるならずーっと誰かしらの膝の上にのっていたい性格です。

といってもアクティブで一日中じっとしているタイプではありません。

・食事……運動量が多い猫です。

高タンパクで低カロリーな食事が必要です。

・居住空間……人と一緒にいるのが好きなので、隔離するのではなくいつでも一緒にいられる環境をつくってください。

運動好きで遊び好きです。

立体的に活動できるキャットタワーなどは必ず設置しましょう。

・ケア……スキンシップを兼ねて1日1回のブラッシングを。

毛の生えかわる時期は頻度を増やしてください。

皮膚がデリケートなので獣毛など肌触りの優しいブラシを使いましょう。

シャンプーは体臭が気になったときで構いません。

○健康上の注意点

多めの運動量と人とのふれあいが必要です。

そのくせ、運動やスキンシップが足りなくても我慢してしまう忍耐強さがあります。

遊びを要求して来ないからといってほったらかしにしないでください。

運動不足は肥満を招きますし、ふれあいが足りないとストレスをため込んでしまいます。

肥満もストレスもさらに大きな病気の原因になります。

ストレス解消は飼い主の役割です。

○気をつけたい病気

オーストラリアン・ミストで気をつけてやりたいのはストレスによる体と心の疾患です。

ストレスやお手入れ不足から皮膚の疾患を起こしやすい猫種だともいわれます。

毎日のブラッシングはストレスの解消と皮膚トラブルの早期発見に欠かせません。

ただしデリケートな皮膚を傷つけないよう注意が必要です。

■オーストラリアン・ミスト向けのゴハン

猫は肉食動物ですから必要な栄養分を動物性タンパクからとることができます。

雑食の人間や犬のように、植物性の食物の主成分である食物繊維を腸の中でゆっくりと発酵させて消化吸収することができません。

猫に穀物が主体のキャットフードを与えすぎは禁物です。

オーストラリアン・ミストにはグレインフリーのキャットフードを用意しましょう。

毛並みをよくする成分を配合したプレミアムキャットフードとの併用がおすすめです。

■ペット保険の必要性

ペットの医療費は全額飼い主が払わなくてはいけません。

ちょっとした体調不良でも診察料と薬代で数千円かかるのは当たり前ですし、検査や手術となれば数万円。

それに入院が重なると十万円以上かかることは珍しくありません。

いざという時、お金の問題で悲しい後悔をすることのないようペット保険に加入しましょう。

手術と入院費用だけを補填してくれる割安のプランもありますが、年間を通じて一番お金がかかるのは通院費用だったりします。

通院・入院・手術すべてをカバーしてくれるプランを選ぶようにしましょう。

■ペットローン

オーストラリアン・ミストはまだまだ希少価値の高い猫です。

平均相場はハッキリしませんが近似種であるバーミーズの相場から考えると20万円以上であることは間違いないと思います。

それでもこの子とどうしても暮らしたい!そう思う出会いがあったらペットローンの利用も考えてみてください。

オーストラリアン・ミストの寿命は15〜19歳

これは平均的な数値ですからもっと長い付き合いになる可能性の方が大きいのです。

それを考えてもローンを組んでも初期投資をする価値は充分にあると思います。

ただし、相手は生き物です。

ローンを組んだ返済金額にプラスして、月々の飼育費用が加算されることを忘れないでください。

■まとめ_飼い主に求められるもの

野性的で魅惑的な毛色とアクティブなのに穏やかで誰とでもうまくやれる優しい性格、その二面性がオーストラリアン・ミストの魅力です。

まだまだ希少種というところに惹かれる人もいるかもしれません。

我慢強い性格に飼い主が甘えているとストレスをため込んでしまうこともあります。

こちらから積極的に構ってあげる心遣いを持ちましょう。

それはとても楽しいことだと思います。

ワイルドでファンタジックなファッションに包まれた、ナイーブでソフトなマインド。

そのギャップを楽しませてくれる、オーストラリアン・ミストはそんな猫です。