イギリス生まれの優雅な貴婦人(オスもいますが)。

波打つ毛並みと、くっきりとしたアイレアイラインに縁取られた澄み切ったエメラルドグリーンの瞳。

鼻の短いなんともいえない表情で愛嬌を振りまいてくれます。

まさに“ツンデレ猫”の代表手

それがチンチラです

■チンチラってどんな猫

チンチラの原産国はイギリスです。

「チンチラ」という呼び名は、シャムやアメリカンショートヘアといった品種の分類名ことではありません。

チンチラはペルシャ猫の毛色のひとつです。

○ティッピング

猫の毛1本を見たとき、ベースカラー(毛の先端部の色)の下の部分にシルバーかゴールドが入ったものを「ティッピング」といいます。毛の色の割合で呼び方が変わってきます。

1本の大部分がベースカラーのものを「スモーク」

半分くらいがベースカラーのものを「シェイド」

毛の大部分がシルバーかゴールドのものが「チンチラ」です。

チンチラはシルバータビー(シルバーとグレーの縞猫)のペルシャとスモークのペルシャを交配して生まれました。

○身体測定と寿命

・オス:3〜6kg

・メス:3〜5kg

チンチラの寿命は15〜20年と猫の中でも長生きです。

20年を越えて生きる子も多くなっているので長い付き合いができます。

■チンチラの歴史

ペルシャ猫の歴史は古く、西暦1500年にはすでに存在していました。

チンチラの誕生はその400年ほど後になります。

○チンチラの起源

ペルシャは早くから独立した猫種として認められていました。

より新しい毛色を作り出そうとして毛色の違うペルシャを交配させる試みが長い間繰り返されてきました。

17世紀の終わり頃にイギリスでシルバータビー(シルバーとグレーの縞猫)・ペルシャとスモーク・ペルシャを交配させたところ、驚くほど美しい銀色の猫が生まれました。

その仔猫がチンチラの起源ということになります。

○名前の由来

チンチラの名前はネズミのチンチラに由来するといわれています。

ハッキリしたことはわかりませんが、毛並みが似ていることからつけられたようです。

毛並みが似ている……ようにはみえないのですが……長めの毛としっぽがにているといえばにているような……チンチラという名前は南米の住んでいたチャンチャという部族からきていて、「チンチラ」というとスペイン語で「小さなチャンチャ人」という意味になるそうです。

■チンチラの性格は?

ペルシャの血を引いておっとりした性格です。

仔猫時代は活発にしていますが、大人になると日がな一日ひとところに落ち着いて動かないことが多くなりがちです。

あまり鳴かないので「ボイスレスキャット」のふたつ名をいただいています。

気位が高く人に対してもしらっとして態度をとります。

知らない人には触られるのも嫌いますし、飼い主でも気が乗らないときは抱っこさせてもらえません。

その反面、心を許した人にだけは仔猫のような仕草を見せることがあって、お猫様好きの飼い主にとってはたまらない性格といえます。

○チンチラの体の特徴

毛足が長いので見た目ではわかりませんが、ガッシリとした体型をしています。

・毛……フワフワの長毛。代表的な毛色はシルバーとゴールド。ブルーシルバーやブルーゴールドといった希少種も生まれています。

・目……クリクリと丸目で、くっきりとしたアイラインで縁取られています。目と目の間が離れています。色はグリーンかブルー。

・顔……丸くて鼻がぺしゃんこのいわゆるチンクシャ顔。仔猫の時と大人の時の顔つきがあまり変わりません。

・首……短い。

・体型……肩幅が広く、胴体は短い。

・手足……短い。

・尾……ふさふさで長い。

■チンチラと暮らすポイント

○仔猫の選び方

・毛……豊かで長さも量も充分であること

・顔……耳が小さくてチンクシャ(つぶれ鼻)

・体……胴体も手足も短い、ガッシリした体型。抱っこしたときにズッシリ感がある

○特徴にあわせた飼い方

気が乗らないときには飼い主が触るのすら嫌がる子もいます。

人の手が届かない、ひとりで寛ぐことのできる場所は必須です。

・食事……大きな体を保つために高タンパクの食事が必要です。

運動量が少ないのでカロリーは控えめがいいのですが、エネルギーになりやすい脂質をある程度含んだ食事を用意します。

・居住空間……どんなにブラッシングしていても毛は抜けます。

特に毛の生えかわる季節は毎日の掃除が欠かせないので床はフローリングにしておくなど、猫に合わせて掃除しやすくしておきましょう。

動きたがらないとはいえ猫ですから1mくらいのジャンプはお手の物です。

キャットタワーなどで立体的に運動できて、ひとりでいられる場所を確保してあげましょう。

出窓に場所を作っておくと、外の景色を眺めながら一日中すごしていることも珍しくありません。

機嫌の悪いときは相手が小さい子どもでも容赦しないことがあります。

知り合いなどが訪ねてきたときは、無理矢理紹介するようなことは止めておきましょう。

気が向けば猫の方から挨拶に来てくれるはずです

・ケア……長毛種は、短毛種と違い、自分では届かない場所があり全身の毛を舐めてきれいに保っておくことができません。

毎日のブラッシングは朝晩欠かさないようにしましょう。

静電気でブラシに毛が絡みやすくなるので人間用のものでなく、猫専用のブラシを使うようにします。

チンチラは体臭が少ない猫です。

匂いがしなくても毛並みを保つために1ヶ月に1度はシャンプーしたいところです。

定期的にトリミングサロンで手入れをしてもらうといいでしょう。

チンチラのような長毛種は手をかければかけるほど美しい毛色が引き立つので、ケアのやりがいがあります

○しつけ

猫は砂の上でトイレを済ますのが本能ですから、場所さえ作ってやれば自然とそこで排泄するようになります。

長毛種の場合は汚れが毛先についてしまうことがあるので注意が必要です。

チンチラは気位が高いのでそれ以外のしつけは期待しない方がうまくやっていけます。

○健康上の注意点

チンチラは、シルバーやゴールドの毛色と美しいグリーンやブルーの目の色を世代を超えて保つために近親での交配が行われることがあります。

そのため生まれつき体が弱い子が多い猫種です。

個体によっては、普通の猫ならなんでもない病気が重症になってしまうこともあります。

少しでも具合が悪そうなときは医師の診断を受けるようにしましょう。

飼う人間側にも注意が必要です。

長毛種の抜け毛は短毛種よりも猫アレルギーを引き起こしやすいといわれています。

小さな子どもの鼻から入った毛が肺にまで届いていた症例もあります。

可能のであればブリーダーやショップにお願いしてトライアル飼育を行った方がいいでしょう。

○気をつけたい病気

長毛種の猫で特に気をつけたいのが「毛球症」です。

猫がグルーミング(毛づくろい)したときに飲み込む抜け毛が胃の中でグルグルに固まってしまうことで起こります。

フェルト上に固まってしまった毛玉(ヘアーボール)が胃の内部を傷つけたり、腸でつまってしまうと大ごとです。

場合によっては外科手術取り出さなくてはいけないこともあるのです。

予防ためには毎日朝晩のブラッシングが一番です。

毛玉の排泄を促す食品も定期的に与えるようにしましょう。

■チンチラ向けのゴハン

毛足が長くて優雅な見かけのチンチラ。

実はガッシリ系の体型の持ち主。

体の維持と毛の美しさを保つためには高タンパクの食事が必要です。

運動量は少なめなのでカロリーは控え目の方がいいでしょう。

ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン専用のキャットフードも発売されています。

長毛種にあった食事を選んであげてください。

猫は肉食動物ですから体を維持するためのタンパク質と運動するためのエネルギーの両方を肉や魚からとることができます。

植物性の食べ物に多く含まれている食物繊維から栄養を消化吸収するのは苦手なのです。

ですから、キャットフードは基本的にグレインフリーのものを選びましょう。

ただ、チンチラなどの長毛種はグルーミングで体の中に入った毛が原因起こる毛球症にかかりやすいので、毛玉対策に食物繊維を配合したフードも与える必要があります。

■ペット保険の必要性

人間の場合、7割を国が負担してくれますから医療費は安いと勘違いしている人がいますが、本来医療費は高額なものです。

ペットが病気にかかったときはその全額を飼い主が負担しなくてはいけません。

薬で数千円は当たり前ですし、手術となれば数万円、入院も重なれば年間で数十万の出費になることもあります。

ちょっとした通院でも長引けばかなりの金額になりますから、前もってペット保険に加入しておきましょう。

加入するときは通院・入院・手術すべてをカバーするプランを選んでください。

■ペットローン

チンチラの相場は10〜20万円以上です。

普通に考えれば安いとはいえません。

ペットショップで目が合って運命の出会いを感じけど、今、手持ちがない、そんな時にはペッとローンを利用しましょう。

ペットローンは購入時だけではなく医療費にも使うことができます。

■まとめ_飼い主に求められるもの

長毛種の毛のケアは短毛種の比ではありません。

毛の塊ができれば薄汚れて見えてしまうし、抜け毛を舐めすぎると体調を崩す原因になります。

美しさを保つために定期的にプロのケアを受ける必要もあります。

それだけ手間をかけても、今ひとつなついてくれない気もします。

どちらかといえば猫にかしずくことに喜びを感じる人向けかもしれません。

でも、いったん一緒に暮らし出すと、他人には絶対に見せないデレッとした態度を自分にだけは見せてくれるといった特権を受けることができるのも確かです。

猫様はツンデレに限る!そんな人にピッタリなのがチンチラです。