ぬいぐるみとトイプードル

犬は遊んでいるとき、散歩中、留守番中、興味をもった物があるとなんでもニオイをかいで、なんでもくわえてしまいます。

習性を考えると誤飲・誤食が起きるのは必然なのかもしれませんが命に関わる危険性があります。誤飲・誤食から愛犬を守るのは飼い主の役目です。
今回は誤飲・誤食の基本対処法から、万が一、誤飲・誤食してしまった時の応急処置、物別の対処法などをご紹介します。




誤飲・誤食の対処法まとめ

1)犬の習性

秋田犬の子犬

飼ってみるとわかることですが、犬はとても好奇心の強い動物です。

なにか新しい物があるととりあえず近寄って嗅いでみます。

散歩中でもいつもとは違うコースを歩けば、新しいものとニオイが嬉しくていちいち立ち止まって確認するためなかなか前に進めません。

興味のあるもの見つけるとニオイをかぐのにとどまらず、パクッとくわえてしまうことがよくあります。

それが小さな物だとそのままのみ込んでしまう場合も…これは、困ったことになります。

2)犬が誤飲・誤食する理由

犬が物をくわえたとしても、あんなに立派な牙があるんだからなんでもバリバリにかみ砕いてしまうのではないか、と思っている方も多いと思います。

しかし、犬の歯は前歯から奥歯まで食べ物を引きちぎるために特化されています。

人間や草食動物は前歯で食物を食いちぎり、臼歯(奥歯)で咀嚼(そしゃく)してすりつぶしてから飲み込みます。

犬は引きちぎった食べ物を丸呑みします。
基本的に口に入ってしまったものは噛まずに飲み込んでしまうのです。

それでは次は、飲み込んだ物別に対処法をご紹介します。

3)飲み込んだ物別の対処法

誤飲・誤食物 対処法 危険性
使い捨てカイロ 口の中をゆすぎ水を飲ませて、様子を見る 大抵の製品は鉄粉、水、バーミキュライト、活性炭、塩など自然由来の素材でできているので健康な犬であれば中毒をおこすことはありません。
タバコ 何も飲ませないで吐くのを待つ

すぐに吐かないときはなるべく早く医師に診せる

ニコチンに対する拒否反応で大抵はすぐに吐いてしまいます。胃の中にある間であればニコチンはほとんど吸収されないので、すぐに吐いてくれれば問題ありません。水などを飲ませると腸内に送り込まれてニコチンが吸収されることになるので止めておきます。
人間用の医薬品 水や牛乳を飲ませて吐かせる

吐いても吐かなくても、なるべく早く医師に診せる

飲んでしまった薬の残りやパッケージ(包み紙でも)を必ず持参

精神安定剤、降圧剤(血圧の薬など)、強心剤は特に危険です。
香水・コロン 水を飲ませて吐かせる

少量なら様子を見る

大量に飲んだ場合はアルコール中毒を起こすことがあります。すぐに病院へ行きましょう。
シリカゲル 水、牛乳を飲ませて様子を見る お菓子や洋服についてくる乾燥剤です。二酸化ケイ素からできているシリカゲルは毒性がなく、健康な犬なら中毒症状も起こしません。
生石灰 口をすすいで、水や牛乳を飲ませて医師に診せる 食品についてくる白い粉の乾燥剤です。生石灰(酸化カルシウム)は体内の水分と反応して消石灰に変化するとき高熱を発するので危険です。
防虫剤 水を飲ませて、一刻も早く病院へ

牛乳を飲ませてはだめ!

樟脳は毒性が強くてとても危険です。防虫剤の成分は脂肪に溶けやすいため脂肪分を含む牛乳を飲ませてはいけません。
灯油・ガソリン・ベンジンなど揮発性物質 何もしないですぐ病院へ 器官に入ると肺炎を起こすので、吐かせると危険が倍になります

少量なら様子を見てください。

マニキュア除光液 何もしないですぐ病院へ 主成分のアセトン、硝酸エチル、トルエンなどの有機溶媒は毒性が高いので少量でも危険です。
プッシュピン・針・ガラス 何もしないですぐ病院へ 吐いたり、便で出したりさせるとさらに内蔵の傷が深くなります。全て取り出さなくてはいけないので手術になる可能性が大きいです。
ボタン電池 何もしないですぐ病院へ 吐かせるとノドを傷つける恐れがあります。電池類は内臓に残ったままになると腐食して粘膜を傷つけます。
トイレ用洗剤、漂白剤 牛乳を飲ませる

吐かせずに病院へ

強酸、強アルカリ性の洗剤や漂白剤を吐かせると、戻すときにさらに食道や口の中の粘膜を傷つけてしまいます。
台所用洗剤、洗濯用洗剤 水を飲ませる

吐かせずに病院へ

吐かせると内臓をさらに傷つけてしまいます。
チョコレート 大量に食べた場合は吐かせる

病院へ

 

危険量目安(板チョコ1枚60g)

小型犬(5kg)……ミルクチョコ2枚 ビター3/4枚

中型犬(15kg)……ミルクチョコ6枚 ビター2枚

大型犬(30kg)……ミルクチョコ11枚  ビター4枚

カカオに含まれるテオブロミンが中毒症状を引き起こします。最近出回っているカカオ配合量の多いビター系は特に危険です。

症状が出るのに6〜8時間かかります。

ネギ類 吐かせる

多めに食べてしまったときは病院へ

 

危険料目安

犬の体重1kgにつき15〜20g

タマネギや長ネギに含まれるアリルプロピルジスフィドが原因です。

症状が出るのに早くて12時間、通常は2〜5日かかります。

危険物を飲み込んだときは、なるべく早く医師の診断を仰ぐことが大切です。

吐かせるにしても水や牛乳を飲ませるにしても、動物病院に向かいながら処置するようにしましょう。

4)犬の吐かせ方と応急処置

犬がおかしなものをくわえたときに「あー!!ダメーーーーッ!!!」と大声を出すのは禁物です。

ビックリして思わず飲み込んでしまう可能性があります。

あわてて近寄って取り上げようとするのも止めてください。

せっかくの宝物をとられてたまるかと力一杯噛みしめたり、遊んでくれるのと勘違いしてじゃれついてきたり、「捕まらないよー」と離れていってしまうことがあります。

取り上げようとして追いかけ回せば、弾みで飲み込んでしまう機会を増やすだけです。

まずは、落ち着いて犬を近くに呼び寄せ、頭をなぜながら口からそっと異物を取り出してください。オヤツを持っていれば交換に応じてくれるでしょう。

普段から指示されればくわえた物を離すように教えていれば、まだ口にくわえている状態ならすぐに取り上げることができます。

万一、飲み込んでしまったときは応急処置を行います。

1.応急処置の流れ

  1. 片手で上あごを上からつかみ、利き手で下顎の前歯をしたに押し下げて口を開けさせます。まだ異物があるようなら口に手を入れて取り除きます。
  2. すでに飲み込んでしまった後なら……物によって対処法が違ってきます
  3. 様子を見るべきもの以外は、すぐに医者に連れて行く
    その際、どの位前に、何を、どの位の量飲み込んだのかが治療に必要な情報になります。同じものが残っていれば持参します。

深夜や病院から遠いなど、医師の診断を受けるのが難しい場合は以下の対応をとります。

  1. 吐かせていい物か、吐かせてはいけない物かを判断する
    (ものによっては吐かせることで体内をさらに傷つける場合があります)

2.吐かせる場合

「塩を飲ませて吐かせる」

ティースプーン1杯をなめさせます。

10〜15分様子を見て、吐かないようならもう一度与えます。

吐かなくても3回までで止めておきましょう。あとは医師に相談してください。

※犬によっては塩自体が中毒を起こす危険も考えられます。行う際はリスクがあることを覚えていてください。

「オキシドールを使って吐かせる」

小さじ一杯程度(3〜5cc)を飲ませる

10分くらいでヨダレが出てきて吐きます。

15分たっても吐かないときはもう一度与えます。

3回以上は止めておき、医師に相談してください。

※オキシドール(過酸化水素)は体内で分解・消化されます。

3.吐かせてはいけない場合

ものによっては牛乳を飲ませて毒性を薄めることができます。

・便と一緒に出させる

食物繊維の多いサツマイモなどをドッグフードに加えると便通がよくなり、量も増えるので異物が出やすくなります。

 



まとめ

犬の誤飲・誤食を防ぐために必要なことは「毎日の部屋と庭の掃除」です。

特に床、地面には危険な物を落とさないよう、毎日の掃除を心がけましょう。

犬の届くところに口にしそうなものを置かない」ようにすれば間違いは起こりません。

とはいうものの、落ちているボタン電池に気がつかないことはありますし、こんなところは届かないだろうという場所の物を引きずり下ろすこともあります。

大抵の場合、勝手に何かを飲み込んだり、食べたりするのは飼い主が見ていない時です。

しばらく目を離していた後に、ゲボゲボを繰り返したり、泡を吹いたりしたら危険信号です

留守番させて2〜3日後、ヨタヨタするなど様子がおかしいときは中毒を起こしている可能性があります。

急に犬の様子がおかしくなったときは誤飲・誤食の可能性も疑ってください。