病院で診察を受ける病気の犬

熱くなってくるこの季節気を付けなければならないのが、「熱中症」です。犬はとても熱中症になりやすい動物です。

熱中症とは、「体内の熱を外に逃がす事が出来ず機能不全を起こした状態」を言います。今回は犬の熱中症の症状・原因・対処法をお伝えします。






犬の熱中症の3大原因!症状・対処・予防方法とは


1)チェック項目!犬の熱中症の代表的な5つの症状

(1)体温の上昇(体温40度以上)

熱中症の一番の特徴である体温の上昇。熱い場所に長時間滞在していた場合や、炎天下での激しい運動のあと体温が急激に上がってしまいます。真夏でなくても5月、6月の気温でも締め切った車の中に犬を待たせておくことはとても危険です。犬の様子がおかしいと感じたら内股の部分を触ってみましょう。いつもより熱い!と感じたらそれは危険信号かもしれません。

(2)パンティング

パンティングとは動物の医療用語で「開口呼吸」のことを言います。「口を大きく開けてハァハァと息苦しそうに呼吸する」ことです。少し運動した後や、遊んだ後にも見られますが熱中症を引き起こしている場合ダラダラと涎を垂らしていたり目が充血しているという症状も見られます。

(3)悪心・嘔吐

熱中症になってしまうことにより吐き気や嘔吐を起こすことがよくあります。犬は吐き気がある時8割以上の犬が舌なめずりをします。よく観察してみましょう。

(4)下痢

熱中症になってからすぐではなく3~4時間後程度から下痢の症状が出始めることがあります。下痢の程度は様々で少し緩めの便から水状の水様便まで熱中症の程度によります。

(5)血尿

さらに重度な熱中症であったとき症状が進行してしまうと血尿が出現します。おしっこをする量も少なく赤っぽい尿がでます。血尿が出現する程度まで熱中症が進行していると、この他に吐血や下血などの出血症状が見られたり、酸素をうまく取り込めずチアノーゼが見られたり、最悪の場合ショック症状を起こし死に至るということもあります。

2)何が原因・・?犬の熱中症の3大原因とは

(1)炎天下での散歩・激しい運動

炎天下での散歩はとても危険です。炎天下ではコンクリートが太陽により熱せられとても熱く熱中症だけではなく肉球の火傷の恐れもあります。気温が30度を超える日中は、散歩や激しい運動をさせることによりあっという間に熱中症になってしまいます。

(2)気温28度以上の場所での留守番

犬の熱中症の原因で最も多いのが、車内での留守番です。日差しの強い駐車場でエンジンを切った車の中は、熱がこもり温度が急上昇します。50度近く上がってしまうこともあります。そのような車内では数分で熱中症になってしまうことがあります。

少し窓をあけてあるから、では安心はできません。換気が十分ではないうえに、車内で犬が興奮してしまえば体温が急上昇してしまいます。

(3)短頭種・肥満犬

一般的に短頭種と呼ばれる鼻の短いシーズーやパグ、ブルドッグ、ボストンテリアなどの犬種は体の構造上スムーズな呼吸がしづらく、暑いほど悪化するため熱中症になりやすいのです。肥満犬は、皮下脂肪を多く蓄えているため体内に熱がこもりやすく、なおかつ心臓にも負担がかかります。

首の回りにまで脂肪がついてしまっている場合には、気管が圧迫されて呼吸機能の低下が見られ、呼吸による体温調節が難しくなり、結果熱中症を引き起こしてしまいます。上に挙げた代表的な原因の他にもトリミング中のドライヤーの熱風や、子犬・老犬の熱中症など様々なものがあります。

Bandaging hurt paw of Maltese dog

3)応急処置!犬の熱中症への対処方法とは

(1)身体を冷やす

熱中症の症状が見られたら、一刻も早く体を冷やしましょう。水を全身にかけてあげる、風を当ててあげる、濡らしたタオルを体にかけたり、大きな血管の通っているわきの下や、内股の付け根を保冷材などで冷やしましょう。とにかく急いで体温を下げることが重要ですが、体温の下げすぎには注意が必要です。39度程度まで下がったら冷やすのを一度やめましょう。

(2)水分補給

身体を冷やすことと同様に重要なのが水分補給です。水分をよく与えましょう。

(3)動物病院へ連れていく

熱中症になってしまったら身体を冷やすことを第一優先に、早めに動物病院を受診しましょう。熱中症の場合急変する可能性もあるので事前に「熱中症の疑いがある」と電話連絡してから受診するのが良いでしょう。

4)犬の熱中症の場合にすべき検査方法

熱中症が疑われる犬が動物病院を受診すると体を冷やす事と同時に飼い主さんの同意を得て以下の検査を行います。

(1)検温

熱中症の疑いのある場合今の体温がどれくらいなのか検温を行います。

(2)血液検査

身体の状態を把握するため、電解質、肝臓、腎臓などの機能を血液検査にて確認します。費用は一般的に10000円前後でしょう。

Stethoscope in hands

5)犬の熱中症の場合にすべき治療方法

(1)体温を下げる

最も大切なことはやはり体温を下げてあげることです。熱中症では体温が40度代に上がってしまいます。このとき氷水に漬けておけばいいのでは、と考える方もいるかと思いますが、あまり冷たすぎると皮膚の毛細血管が収縮していまい、熱が体から放出されなくなります。水に浸しておいて、風を当て気化熱で熱を奪ってあげるのが最も効果的です。体温が39度程に下がったら体温の下がりすぎに注意して体温の管理をします。

(2)点滴をする

高体温になると末梢血管が拡張して、低血圧状態になります。また、脱水状態になっていることも予想されます。この2つを改善するために点滴を行います。点滴を行うことにより脱水状態だった水分を補い、電解質のバランスを整え、血圧をあげることができます。状態が落ち着くまでは、点滴を持続して回復をまつ事になります。

6)日常生活から改善を!犬の熱中症への予防ポイント

(1)炎天下での散歩・激しい運動を避ける

暑いとわかっている日中の散歩や運動は避けましょう。散歩の時間を朝早い時間、日が暮れてからにずらす。ほんの少し時間をずらすだけで予防することができます。

(2)留守番をさせる環境に気をつける

自宅で留守番をさせる場合、室内の風通しに気を付けることに加え、カーテンを閉める、エアコンをドライモードでつけるなどして、室温と湿度が上がらないように気を付けます。また十分な水分を用意しておいてあげましょう。クールマットや氷水を入れたペットボトルなどを置いておくと安心です。

車内での留守番はできるだけ避けましょう。どうしても同伴ができない場所の場合、近くの日陰や風通しの良い場所を選んでつないでおくか、誰かがそばについていてあげましょう。

(3)熱中症になりやすいことを心にとめておく

普段から自分の家族である犬が熱中症にかかりやすい犬種なのか、肥満体であるか、興奮しやすくはないかを考えておきましょう。ほんの少し意識しておくだけでいざというとき冷静に対処することができます。






今回のまとめ

1)チェック項目!犬の熱中症の代表的な5つの症状

2)何が原因・・?犬の熱中症の3大原因とは

3)応急処置!犬の熱中症への対処方法とは

4)犬の熱中症の場合にすべき2つの検査方法

5)犬の熱中症の場合にすべき2つの治療方法

6)日常生活から改善を!犬の熱中症への予防ポイント