病院で診察を受ける雄猫

去勢というのは、近所の人や周りの猫との友好的な関係を築くために大切なことだと言えます。

特に猫の場合は基本的に自由に暮らしており、何がおきるかわからないため、去勢は特に重要なこととなっています。今回は猫の去勢後の生活の注意点や重要事項をお伝えします。



猫の去勢後の注意点!生活習慣の変化とは

1) 猫の去勢直後の体調状態

1.去勢手術の日数

猫の去勢は、基本的に日帰りから1日程度の手術となります。その後、抜糸や経過観察のため1週間後に病院へ行き、その先1週間の入浴が禁止されます。

ただ、大きく生活習慣に影響される手術ではないので、体調にも大きくは影響しません。

2.考えられる危険性

手術後は、一時的に抵抗力と免疫力が低下してしまうため、術後の接触の仕方には気をつけてあげてください。

抵抗力が低下していくと感染症になる恐れがあります。

餌を食べなくなり吐く』などの症状が続く場合は、早急に治療を行わなければ衰弱死の恐れがあります。早めに獣医師に相談してください。

3.家に帰った時

去勢手術後の猫を迎え入れる時には、生殖器が存在しない猫になって戻ってくるため、オス猫の場合はマーキング行為や他の猫と争う本能が薄れていきます。

これは、ホルモンバランスが整うことにより起こる現象で、オス猫はメス猫の習性にメス猫はオス猫の習性に若干近づいていきます。

以前と対応の仕方に戸惑うかもしれませんが、何事もなかったように接してあげてください。

2) 猫の去勢直後の接し方の注意点

1.傷ついている猫のために

去勢後の猫は、荒っぽい性格だったオスが大人しくなる場合があります。

また、去勢手術後の猫は肉体的・精神的にかなりのダメージを受けていることがあり、飼い主の膝の上で眠るなどの行動を行うようになることがあります。

その際には、傷を癒してあげるイメージで可愛がってあげてください。

2.無理やり連れ出すことなどは禁物

去勢手術後は猫自身がデリケートになっていますので、部屋の隅などに隠れるようにして佇むことがあります。

その際は、精神的なダメージが大きいため無理やり引きずり出すなどはせず、落ち着いて近くに餌を置くなどして様子を見つつそっとしておいてあげてください。

3) 猫の去勢直後の食事のポイント

1.食事での注意点

去勢手術後の猫に対して、ご飯はとてもデリケートな問題となっています。

下半身に存在する、生殖のための臓器を摘出しているので猫自身のストレスとなって餌を与えても吐いてしまうことがあります。

食事は一度にたくさんの量ではなく、少量ずつで与えることが望ましいです。

また、いくら猫が欲しがったとしても体に負担をかけることになるので、ゆっくりとした食事の時間を確保して無理をさせない食事をさせてあげましょう。

2.食欲不振が続く際の対処法

先述したように、餌を吐いてしまうのであれば食べる意思はあるので、ゆっくりと対応していけば以前のように食事を普通どうりに行うようになります。

しかし、食欲不振が起こりそもそも餌を食べなくなってしまうとなれば、これは危険な状態です。

そのような場合は、獣医師に診せて点滴などの応急処置とアドバイスを聞くことをオススメします。

診察を大人しく受ける雄猫

4) 猫の去勢後の生活習慣

1. トイレ習慣

猫の去勢後の悩みの種になることとして挙げられるのはトイレについてです。具体的には、尿管結石となる恐れがあり処置が遅れた際には死に至ることもあるため、気をつけなければなりません。

猫は基本的に尿管が狭く尿が濃いこともあり、尿管にカルシウムなどが固まってできた結石が詰まって排出障害が出てしまいます。

水やぬるま湯を用意して、頻繁に飲んでいるのを確認してあげましょう。

また去勢前にはあった、尿を飛ばすスプレーと呼ばれるなわばり本能がなくなるため、それに伴って雄猫は大人しい性格になりやすいです。

トイレは、所定の場所を決めて覚えさせるまでは部屋を隔離して見守ってあげる方法をオススメします。

2. 睡眠習慣

猫の基本的な睡眠時間は、16時間ほどとされています。その間には人間同様、深い眠りの『レム睡眠』と浅めの眠りの『ノンレム睡眠』が周期的にあります。

しかし、去勢前には発情期とともに夜鳴きが激しい時期がありますが、去勢後は生殖本能自体が無くなっているため、夜鳴きが激しくなることも無くなります。

睡眠は、去勢直後だと痛みにより眠ることが出来ない子もいますが、きちんとお世話をしてあげることで改善されるため、根気よくお世話をしていきましょう。

黒白のペルシャ

5) 猫の去勢後の回復期間

1.耳の裏を確認

去勢手術は、猫にとって精神的・身体的なダメージが大きいですが、術後2日以内で元気に走り回るなどの行動を取るようになります。

しかし、それ以降も元気がない場合は、耳の裏の温度を確認し、発熱していないか調べましょう。

2.専門の獣医の判断に

病院によっては、1週間程度の入浴など傷口が着水することを禁止するところもあるため、その際は、獣医と相談の上軽いブラッシングのようなケアをしてあげることをオススメします。

3.通院の場合もある

最近では、医療も発達しているため抜糸などがない場合がほとんどですが、病院によっては1週間おきの通院が言い渡されることがあります。その際は獣医の判断通りきちんと病院に連れて行ってあげてください。命に関わることもあるためです。

6) 体調が思わしくない場合にすべき行動

1. 術後の服薬

術後には、傷の化膿などを防ぐための薬を摂取させるように言われることが多いです。

当然ながら薬が体に合わない場合がありますので、その際には獣医に相談をしてください。

また副作用などにより、元気がなかったり下痢をし続けるなどの症状が見られる場合があります。

特に排泄に関しては注目して、3日以上下痢が続いたり飲食をしないという場合は、すぐにでも動物病院に駆け込みましょう。

2. 麻酔からの覚醒

去勢手術自体は、時間のかかるものでもありませんが、その際に必要とする麻酔が猫の体調を一時的に悪くすることがあります。

また、麻酔から醒めてもしばらくは元気のない状態が続きます。

去勢手術は日帰りが多いのですが、引き取る際に身体の動きが鈍い状態が続いているため、家に帰る途中でおもらしをしてしまうことがありますが、優しい対応をしてあげてください。

麻酔は約1日かけて抜けていきます。

もし、3日間以上、下痢や飲食を拒む場合には点滴などの処置が必要となりますので、早めに動物病院に連れて行ってください。

雄猫の今後について語る獣医

7)猫の去勢後の飼い主の心構え

1.今まで通りの生活

猫が去勢する適齢期としては、2か月から8か月の間となっています。

このころはまだ子猫と呼ばれるサイズですので、まだトイレなどのしつけが行き届いていないでしょう。

去勢手術が済んだ後には、しばらくの間リハビリ生活として根気よくお世話をしてあげてください。

ただ、きちんとご飯などを食べるようになったら、お部屋を別にするなどしてトイレの仕方をしつけてあげましょう。

飼い主が何事もなかったように平和な顔を見せていると、猫も安心して生活をすることができますよ。

2.去勢手術のメリットとデメリットを把握しておく

去勢手術には様々な意見メリットデメリットがあります。
今後のためにもそれらをしっかりと把握しておいてください。

<メリット>

・不要な繁殖が減らせる

発情期になれば、親兄弟関係なく繁殖してしまうのが猫の本能です。去勢することによりそういった繁殖を防ぐことができます。

・性感染症のリスクを減らせる

性行為で感染する猫の性感染症を予防し、長生きさせることにつながります。

・スプレー行為がなくなる

スプレー行為とは、自分の縄張りを示す為に尿をかけてマーキングすることです。去勢することによりこの行為をしなくなります。

・発情期のストレスがなくなる

オスのみで飼う場合、発情期に相手が見つからないことがストレスになってしまいます。去勢すれば、そのストレスから解放されます。

・精巣腫瘍の予防

去勢により精巣をとりのぞいておけば、精巣腫瘍のような病気を確実に予防することができます。

<デメリット>

・全身麻酔によるショック死

これは、猫だけに限らず人間にも起こりうることです。

全身麻酔は、猫に手術の直接的なダメージを与えることを防ぐことにつながることは確かですが、身体の神経を衰弱させることで神経系だけではなく臓器系の障害を負わせることもあることを知っておいてください。

・繁殖ができなくなる。

これは、先述した引き取り手のない猫を減少させることにつながるということの反対のことではありますが、猫に家族を増やしてあげたいと考えるときには去勢手術はしてはいけません。

室内で飼っていて近隣住民に迷惑をかけないという状況であれば、獣医さんの方も去勢手術を勧めていない場合が多いです。

・下部尿路症候群

去勢手術によって下部尿路症候群にかかりやすくなってしまいます。
下部尿路症候群とは膀胱 ぼうこうや尿道に結石ができて傷つけてしまう病気などのことです。

普段からあまり水を飲まない猫ですが、この病気の予防のために、ウェットフードを多くする、ドライフードに水を含ませるなど、なるべく水分を摂らせる工夫が必要となります。

・太りやすくなる

猫は去勢手術の後に、急激に太りやすくなります。

猫が術後に太るのには2つの理由があります。

1つは、生殖器に使っていたエネルギーが使われなくなるから

メス猫の場合、全体の30%は生殖器に使っていますが、オス猫もそこまでいかなくても多少エネルギーを使っています。
そのエネルギーが使われなくなり、余ってしまい太りやすくなるわけです。

もう1つは、猫の本能

猫にとって「食欲」と「性欲」というのが2大本能ですが、そのうち一つがなくなることで、残った「食欲」という本能がより活発になって食欲が増すというわけです。

そういった理由から、飼い主はしっかりと食事を管理することが重要になってきます。

去勢手術後は多くの猫が太りやすくなっています。
「これまでと同じ食事を与えているのに急に太りだした。」なんてのはよく聞く話です。

肥満は万病の元。

去勢後は食事の量を少なくするか、いままでと違うフードをあげるのも一つの手でしょう。

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このようにメリットとデメリットを理解して、獣医さんとの相談の上去勢手術を行うか否かを決めることをオススメします。猫の一生を左右することですので、じっくり考える機会にしてください。



今回のまとめ

1)猫の去勢後の体調状態

2)猫の去勢後の接し方の注意

3)猫の去勢後の食事のポイント

4)猫の去勢後の生活習慣

5)猫の去勢後の回復期間

6)体調が思わしくない場合にすべき行動

7)猫の去勢後の飼い主の心構え

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