親子のニホンザル

昔話にも登場するニホンザルは、親しみやすいイメージです。でもペットとして飼育するためには、いくつかのハードルがあります。ニホンザルをペットにするための準備は何が必要で、飼育のためのコツは何なのか。是非、知っておいて下さい。






ニホンザルをペットにする方法!3つの飼育のコツと注意点


1)ニホンザルの紹介

(1)ニホンザルとは

ニホンザルは、哺乳綱サル目オナガザル科マカク属に分類されるサルです。尾は短いという特徴があります。体毛は生息地域によって長さが変わり、寒冷地域では長く、温暖地域では短くなります。顔と尻は毛に被われておらず、赤い肌が露出しています。毛色は褐色や灰色です。

(2)原産地・平均体高・平均体重

ニホンザルは、その名の通り日本が原産地です。北海道と沖縄を除く日本全土の山林に生息しています。平均体高は45センチメートルから60センチメートルくらいになります。平均体重は6キログラムから18キログラムくらいになり、メスに比べてオスの方が大きくなります。

(3)名前のルーツ・歴史

サルの名前のルーツについて、はっきりと分かっていません。一説には獣の中で知恵が勝(まサル)ため「サル」になったとも言われています。また異称として、「ましら」、「エテ公」とも呼ばれていました。古くから日本人の幼名に「猿(サル)」の字が使われることも多く、昔話にも度々登場するほど非常に身近な動物でした。有名なところでは、日光東照宮の三猿もニホンザルをモチーフに作られています。

(4)飼育の許可・届け出の必要性

まず前提として、ニホンザルを飼育する場合には、合法的に入手された個体である必要があります。更にニホンザルは「動物の愛護及び管理に関する法律」によって、その飼育には手続きが必要となっています。ニホンザルは「特定動物」に指定されているため、設備やその他の基準を満たす対応を行い、個体ごとに、飼育する地域の都道府県知事又は政令市の長の許可を受けなければならないと定められています。許可を受けずに飼育すると6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられる罪となります。飼育にはニホンザルが逃げないような構造と強度を確保した「おり型施設」などで飼う必要があります。また飼育管理のためにマイクロチップ等による個体識別措置をとることも法律で定められています。届け出先や動物保護センターや保健所など地域によって異なりますので、最寄りの役所に問合せを行って下さい。

(5)平均寿命

ニホンザルの平均寿命は25年から30年くらいです。動物園の飼育下では37歳まで生きた例があります(丸山動物園:はな子)。

2)どんな種類があるの?ニホンザルの主なタイプと特徴

(1)ニホンザル

本州、四国、九州に生息するニホンザルです。ニホンザルの生息地域の南限は鹿児島県になります。またその生息地域は北は積雪地域に及んでいるため、霊長類としては珍しいケースになります。通常の霊長類は熱帯域や温帯域に分布していることもあり、英名の「Snow macaques」の由来にもなっています。

(2)ヤクニホンザル

ニホンザルの亜種として、屋久島に生息するヤクニホンザルがいます。本州のニホンザルと比べると体がやや小型であるという特徴があります。

3)理解してあげよう!ニホンザルの性格の4大特徴

(1)感情表現が豊か

ニホンザルは非常に感情表現が豊かな動物です。一説にはニホンザルは人間と同じく感情を持つと言われており、その好き嫌いの感情をストレートに表現します。

(2)攻撃的な一面がある

ニホンザルには攻撃的な一面があります。仮に子猿の時におとなしかったとしても、成長するにつれて攻撃的な面が出てきます。特にオスは鋭い犬歯を持つため、興奮したニホンザルへの対応はケガをしないように十分な注意が必要となります。

(3)上下関係にシビア

ニホンザルは社会性動物です。動物園ではボスザルを頂点とした数十頭の群れで行動する習性があります。そのため上下関係に非常にシビアです。ペットとして飼育する場合には、飼い主がボスであると分からせて、従わせる必要があります。ニホンザルよりも飼い主が格下だと思われてしまうと、手が付けられなくなる恐れがあります。

(4)オスの方がなつきやすい

ニホンザルはメスよりもオスの方が人になつきやすいと言われています。そのため猿回しなどで芸を覚えるサルも多くは、オスです。ただし、オスであっても完全に従順になることはなく、噛みついたり引っかかれたりするケガには十分注意する必要があります。

4)お金の面は?飼う場合の初期費用と方法とは

ニホンザルを販売しているペットショップは非常に数が少ないというのが実情です。価格は子猿の場合で、30万円から50万円くらい。成長したニホンザルだと40万円から60万円くらいになります。オスとメスとで値段に大きな違いはありません。人に馴れされることを考えると、できるだけ子猿を購入した方が良いでしょう。

ニホンザルの子供

5)先ずはグッズを整えよう!飼育に必要な3つのグッズ

(1)ケージ

ニホンザルを飼育する場合には、中で動き回れる広さのあるケージを用意する必要があります。また、そのケージは逃げないような構造と強度を確保している必要があります。

(2)止まり木

ケージの中には、ニホンザルが休めるように止まり木を設置して下さい。止まり木は丈夫な木で、ケージの床から1.5メートルくらいの高さに設置します。

(3)餌・水やり容器

ケージ内には餌や水やりのための容器を設置します。清潔に保つため、丈夫でこまめに洗える形と素材を選びましょう。

6)要注意!ニホンザルをペットにするうえで特に大変なこと

(1)トイレのしつけができない

ニホンザルは決まった場所で排泄する習性がありません。そのためしつけでトイレを覚えさせることは非常に困難です。便の臭いも強いため、飼育する場合には、排泄後できるだけ速やかに掃除をして、飼育環境を清潔に保つよう心がけましょう。またはオムツをさせて飼うという手もあります。

(2)人間に感染する病気に罹る

ニホンザルが病気に罹った際には、特に注意が必要です。ニホンザルは人間に近い種類の動物であるため、病気が人間に移ってしまう可能性が高いからです。ニホンザルが病気になった時に備えて、近所にニホンザルを診察してくれる動物病院を予め見つけておきましょう。

(3)子供を格下に見る可能性がある

ニホンザルは社会性動物であるため、飼い主やその家族に対しても上下関係を築こうとします。例え大人の飼い主がニホンザルよりも格上だと覚えさせたとしても、子供は格下だと見下してしまうことがあります。できれば、ニホンザルは子供が近づかない環境で飼育した方が安全です。

7)給餌方法とは?主な3種類の餌とその方法

(1)果物や野菜

ニホンザルを飼育する際は果物や野菜を主として与えましょう。雑食なので基本的には何でも食べるのですが、特に果物を好みます。できるだけ、偏らず色々な種類を与えることで栄養バランスを保つことができます。餌は1日2回、食べきる量を与えて下さい。

(2)昆虫など

ニホンザルは昆虫なども食べます。毎日与える必要はありませんが、たまに与えることでタンパク質の補給になります。野生の昆虫は寄生虫がいることがあるため、ペットショップなどに売っている、餌用コオロギを与えると良いでしょう。

(3)人工飼料

ニホンザルには、サル用の人工飼料を与えても良いです。ただし、果物などばかりを与えすぎていると、好き嫌いをして人工飼料を食べなくなりますので、定期的に人工飼料も与えて、慣れさせておくことで餌の種類にバリエーションを持たせることができます。

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8)知っておきた健康のこと!ニホンザルに多い3種類の病気

(1)寄生虫疾患

ニホンザルの罹りやすい病気の一つに、寄生虫疾患があります。寄生虫疾患に罹った場合は、下痢などの症状が見られます。ニホンザルの寄生虫は人間に伝播する可能性もあるので、定期的な検査を行う必要があります。

(2)腸炎

腸炎もニホンザルが罹りやすい病気です。細菌やウィルスを原因として、発症する場合もあります。下痢などの症状が出るため、発症した場合には動物病院で診察を行って下さい。

(3)外傷

ニホンザルは感情豊かであるため、特に興奮した場合などに外傷を負ってしまうことがあります。外見から見て分かる場合はもちろんのこと、一見ケガをしていることが分からなくても、痛がったり動作が普段と違うと言う場合には、ケガをしている可能性があるため、動物病院で診察を受けた方が安心です。

9)飼育する楽しみとは?ニホンザルを飼う魅力とは

(1)珍しさ

ニホンザルはペットとしては、非常に珍しい種類です。ニホンザルを飼育することは、それだけで飼い主に取って楽しみとなるでしょう。

(2)コミュニケーションを楽しむ

ニホンザルは人間に近い感情を持ち、そしてその感情をストレートに表す動物です。そのため飼育は大変な一面がありますが、もう一面としてその感情を理解し、コミュニケーションを楽しむと言うこともニホンザルを飼育する楽しみであると言えます。






今回のまとめ

1)ニホンザルの紹介

2)どんな種類があるの?ニホンザルの主な2つのタイプと特徴

3)理解してあげよう!ニホンザルの性格の4大特徴

4)お金の面は?飼う場合の初期費用と方法とは

5)先ずはグッズを整えよう!飼育に必要な3つのグッズ

6)要注意!ニホンザルをペットにするうえで特に大変なこと

7)給餌方法とは?主な3種類の餌とその方法

8)知っておきた健康のこと!ニホンザルに多い3種類の病気

9)飼育する楽しみとは?ニホンザルを飼う魅力とは