ペットの治療費は飼い主にとって大きな負担です。最近はその負担を軽くし、飼い主の不安を安心に変えることをうたったペット保険があれこれと提供されるようになってきました。

数多くの保険プランの中から、自分に合った保険を選ぶ際のポイントをチェックしてみましょう。



ペット保険はどれがいい?後悔しないためのチェックポイント

■高齢化によって増えた様々な保険商品

ペットの飼育頭数は(最近は横ばい状態が続いているというものの)、犬:987万8000頭、猫:984万7000頭(一般社団法人ペットフード協会 平成28年全国犬猫飼育実態調査より)と犬猫をあわせれば20000万頭に迫る勢いです。

平均寿命も犬全体で14.36歳、猫全体で15.04歳(同調べ)と、犬猫とも年々寿命が延びています。

頭数の増加と高齢化に伴いペットにかかる医療費も増えて、飼い主の大きな負担になっています。

ペットの医療費を少しでも軽減するために「ペット保険」への加入を希望する飼い主が増え、それに応えて各保険会社が様々な保険商品を取り扱うようになりました。

数多くのペット保険の中からどれを選べばいいか、後悔しないためのチェックポイントを見ていきます。

■通院・入院・手術が保証範囲の物を選ぶ

茶白の子犬のボストンテリア

月々の掛け金が高額な保険を選べば手厚いサービスを受けられるはずですが、経済的なことを考えて費用対効果で保険商品を選ぶのは当たり前です。

その時、外してはいけないのは

 

・通院

・入院

・手術

 

の全てを保証範囲にしている保険を選ぶことです。

保険料を抑えるために「高額医療費が発生するのは入院と手術の時だから、そこだけカバーしていればいい」と考えがちです。

しかし実際にペット飼ってみると、入院、手術に至ることは滅多にありません。

大抵の場合は通院ですみます。

もしも入院、手術となったときも、その後には長い通院期間が待っていることが多いのです。

例えば、皮膚上に発生している腫瘍に癌の疑いがあって検査をするような場合でも、腫瘍の一部をサンプルとして切除、検査センターに送って検査、後日検査結果を聞く、という診療なら日帰りです。

この場合、保険では“通院”という扱いですが“検査”には意外と高額な費用がかかります。

検査の結果、悪性であれば入院、手術も必要です。そうなればさらに費用の負担は大きくなります。

やはり最初から通院、入院、手術の全てをカバーしてくれる保険を選ぶべきです

■保障には限度額と限度日数がある

保険には

 

・日額制限

・回数・日数制限

・通算制限

 

が設定されています。

設定された金額と日数を超える治療費については補償されません。

○日額制限

1日(1回)にかかる保証金額の限度額です。手術や検査など1回(または1日)にかかる治療費が大きい場合に影響します。

通院1日/1万円、入院1日/2万円あれば安心です。

○回数・日数制限

設定された保障期間内で保障を受けることの出来る回数、日数の制限です。通院や入院に影響します。通院や入院は一度治療が始まると日数がかさむ場合が多いので、通院日数制限が少なすぎる保険は避けた方が無難です。

年間で通院20〜30日、入院30日以上、手術2回以上のものを選びましょう。

○通算制限

契約期間中または年間で保障される総額の制限です。

保障範囲の総額ですから50万円以上に設定されていれば問題ありません。

■治療費を全額保障してくれるわけではない・保障割合

かかった治療費をどこまで保障してくれるかを決めるのが保障割合です。

100%保障してくれるプランを選べればいいのですが、保険料の負担と実査にかかる治療費を考えるとそこまでの保障は必要ありません。

たとえ100%のプランを選んだとしても、日額制限や回数・日数制限が設定されていれば、保障はその範囲で行われることになります。

50%では手術などで高額の治療費がかかるときに心許ないので、国民健康保険と同じ70%程度を保障してくれるプランを選ぶといいと思います。

■免責金額を設定して保険料を抑える

遠くを見つめるダルメシアン

免責金額とは、「飼い主が支払わなくてはいけない金額」のことです。

保証率70%で免責金額を1日/5,000円に設定した保険プランの場合

1日の治療費が20,000円かかれば、支払われる保険金は20,000×0.7で14,000円ですが、

免責金額を5,000円に設定しているので、20,000円の内5,000円は自己負担になります。

支払われる保険金額は(20,000ー5,000)×0.7=10,500円です。

5,000円以下の治療費は保障対象になりません。

○免責金額を決める意味

「自己負担金額を設定するなんて無意味」と思われかもしれません。

でも、免責金額を決めることで掛け金の負担を減らすことができるのです。

免責金額が高いほど、月々(年間)の掛け金は安くなります。

いざという時の負担額と支払う保険料のバランスから免責金額を決めると、より安い保険掛け金でより大きな保障を受けることが出来ます。

■最後まで一緒にいるのだから終身プランを選ぶ

ペットの平均寿命は犬全体で14.36歳、猫全体で15.04歳といわれています。

保険もそれを基準に「15〜16歳になったら更新できません」という設定になっているものが多く見られます。

しかし実態は20歳を越える猫は珍しくありませんし、10歳を越えると最高齢といわれてきた大型犬でも平均年齢を超えて生きることが当たり前のようになってきています。

そして、高齢になるほど動物病院のお世話になる機会が増えます

一緒に過ごしてきたペットを最後まで看取るのは飼い主として当然の義務です。

ペット保険に加入するときは、是非「終身プラン」を選んでください。最後の最後まで面倒見るための大きな保障になります。

■その他に気にしたいこと

痒いところをかく犬

以上がペット保険を決めるときのチェックポイントです。その他にも知っておきたいことがいくつかあります。

・多頭飼い割引

複数のペットを飼っている場合。一度に同じ保険に加入すれば割引を受けることが出来る特典です。

・ペット賠償責任特約

ペットが人に怪我をさせてしまったり、物を壊したりしたとき保障してくれます。

特約にはガン手術保険金特約や葬儀代を保障してくれる特約もあります。

・年齢による保険金の上昇

保険料は高齢になるほどあがっていくのが一般的です。

加入時に最大どこまで上がるのかチェックしてプランを決めましょう。

・対象外の病気

先天性の疾患や遺伝的な物、慢性病などを保険対象外に設定している保険があります。

加入しても自分のペットに必要な保障が受けられなければ意味がありません。加入前に十分な説明を受けてください。

・破綻のリスク

ペット保険は新しい分野です。新規参入してくる業者も多く競争が激しくなっています。

他と比べて、掛け金のわりにあまりに過大な保障を提供してくれるような保険会社には注意が必要です。

ペット保険はほとんどが掛け捨てなので、保険会社が破綻しても金銭的なリスクは大きくありませんが、破綻してしまった後、別の保険に入ろうとしても新規加入時の年齢制限にひっかかってしまう可能性があります。



■まとめ

ペット保険を選ぶポイントは

・通院・入院・手術をカバーしたもの

・限度額、限度日数が充分なもの

・保証率が70%程度のもの

・掛け金と免責金額のバランスを考える

・終身プランである

ことに加えて、

・特約を活用する

・年齢による保険料の上昇をチェック

・保障対象外の病気をチェック

・保険会社の信頼度

です。

ペットを飼い始めればわかることですが、人と比べて医療費の高さに驚かされます。

またペットは医者にかかることが思った以上に多いのです。

いざという時、治療費を払えなくて悲しい思いをしないためにもペット保険には加入しておきましょう。