カバンに入った猫「ペットを他人に預ける」これはよほどのことがない限り避けたい事態です。しかし世の中には「どうしても仕方がなく…」ということはままあります。そんな時、ペットを安心して預けることができるのが「ペットホテル」です。

今回は、そんなペットホテルのタイプや利用するための基礎知識をご紹介します。



大切なペットのはじめてのお泊まり、ペットホテル選びは慎重に

1)ペットホテルとは?

ペットホテルは「ペットを預かってくれる宿泊施設」のことです。

最近流行っているペットと一緒に宿泊できるホテルや旅館などとは違い、出張や旅行でペットを置いて出かけなくてはいけないときに、ペットを泊まりで預かってくれるのがペットホテルです。

ペットホテルは全国に5000件以上あり、「ペットホテル」の専門ホテルだけではなく、「動物病院」が預かってくれる場合や「ペットショップ、トリミングサロン」が預かってくれる場合もあります。

2)ペットホテルの3つのタイプ

ペットホテルは大きく分けると3つのタイプに別れています。

  • ペット専門のホテル
  • 動物病院併設
  • ペットショップ・トリミングサロン併設

以上、3種類のタイプがあり、それぞれにメリットデメリットがあります。

また、同じ業種でもペットの管理方法は施設ごとに違います。

一匹ずつ別々にみてくれるところもあれば、大きな場所で他の犬たちと一緒に過ごすこともあります。

ペットは飼い主と離れてお泊まりすることになりますから、初めて利用する時は施設選びとそのための準備が大切です。

ペットの性格を一番理解しているのは飼い主ですから、どのタイプを利用するにしてもペットとの相性がいいかどうか事前にチェックしておきましょう。

3)ペット専門のホテル

ペットの宿泊を専門にしている施設です。

利用料金も1泊数千円からスィートルーム数万円までと幅広い設定になっています。

1)ペット専門ホテルのメリット

・スタッフの常駐

ペット宿泊専門の施設ですから、スタッフは宿泊客であるペットの面倒を見るために常駐しており、担当になったスタッフが常にペットの様子を見守ってくれます。

食事散歩の時間帯運動量他の犬が苦手など、ペットそれぞれの普段の生活に合わせて対応してくれる施設が多いのが特徴です。

・施設の充実

ケージに入っていても隣に他の犬がいるだけで落ち着かない場合は、一匹ずつ離して預かってくれたり、ケージ自体が苦手な子は個室にケージ無しで宿泊できる設備を整えているホテルもあります。

雨の日も運動できるドッグラントリミングサービスが宿泊プランに含まれていることも珍しくありません。

・選べる時間帯

専門スタッフが常駐していますから、長期の宿泊買い物の間だけといった一時預かりにも対応しています。

・送迎サービス

大型犬などホテルまで連れて行くこと自体が大変な時、多くの施設で送迎サービスを行っています。

2)ペット専門ホテルのデメリット

ペット宿泊専門で料金によって様々なグレードが用意されているのですが、他のタイプのホテルに比べると価格が高くなりがちです。

また安いペットホテルの場合、感染症などの衛生管理が徹底しておらず、他のペットから病気をもらう可能性があります。

このタイプを選ぶ際は、実際に見に行ったり口コミなどをチェックして、値段と施設のバランスを確認しましょう。

ベッドで寝ている犬

4)ペットショップ、トリミングサロンが経営するホテル

大手のペットチェーンや街中のペットショップ、またトリミングサロンでもペットを泊まりで預かってくれるところが増えています。

1)ペットショップ運営ホテルのメリット

・動物の取扱に慣れたスタッフ

ペットショップやトリミングサロンのスタッフは、ペットの面倒を見るために働いてきた専門家です。

ペットの取扱にはとても慣れています

・ペットがスタッフに慣れている

お店の性質上、いきつけになっていることが多いでしょうから、ペットのほうもまたスタッフになついています

知らない人と接することはペットによっては大きな負担になるため、その点も安心して任せることができます。

・割安の料金

ペットショップは自分の店で購入してくれたペットについては割引料金で預かってくれることも多く、トリミングサロンでも顧客の拡大と囲い込みのため、トリミングやマッサージのお客に対して宿泊プランの割引サービスを多くのショップで行っています。

そのため、他のタイプよりお安く預かってもらえます

・トリミングサービス

ペットサロンへの宿泊と同時にトリミングサービスを受けることができます。

ペットショップでも売り物であるペットを清潔に保つため、ペットサロンに負けない技術を持ったスタッフや外注のトリマーがいますから、同様のサービスを受けられることもあります。

2)デメリット

ペットショップもトリミングサロンも宿泊業は副業的なものです。

販売やトリミングのお客様が立て込んでくればスタッフをそちらに回さざるを得ません。

場合によっては食事の時間が遅れたり、散歩が充分に成されないことも考えられます。

大抵のショップでは敷地内に運動できる場所がないため、天気が悪いときなど運動不足になってしまうこともあります。

ペットショップやサロンでよく行くお店が運営しているなら、このタイプは割引もあってオススメ。

トリミングしている犬

5)動物病院併設タイプのペットホテル

動物病院には入院施設が整っているので、空きがあるときはペットホテルとして利用できるところが多く、それとは別にペットホテルを併設している病院もあります。

1)動物病院併設タイプのメリット

・医師や看護士が面倒を診てくれるわけですから、万が一ペットの具合が悪くなってもすぐに対応してくれます。

・健康状態を把握している

かかりつけの病院であればその子の健康状態を把握していますから、持病があったり、怪我などの治療中、アレルギー体質であっても安心して任せることできます。

・(場合によっては)料金が割安

入院施設を使って宿泊を受け付けているところも多いので、空きがあれば割安で預かってくれる場合があります。

・衛生面で安心

病院ですから清潔に保たれているのはあたりまえで、衛生面はどこよりも安心です。

2)動物病院併設タイプのデメリット

じつはペットにとって病院に行くのはストレスであり、一般的に見てペットは病院が苦手です。

普段、無理に口を開けられたり、注射をされたりといい思いをすることがない場所だから当然です。

また病院もホテルは本業ではありませんから、急患などが入れば健康である宿泊ペットの世話は後回しにされてしまいます。

食事や散歩のタイミングも、他の入院ペットがいれば同じサイクルに組み込まれることが多いでしょう。

大抵の動物病院はスペースがないため、他のペットと隣り合わせのケージでの宿泊になります。

室内での運動スペースも期待できませんから、長期の宿泊にはむいていません。

預かる前にペットの状態を診察するところがほとんどです。

飼い主への問診などもあり、ホテル代の他に通常の診察料金がかかることもあります。

アレルギーなどの持病があったり、短期間で健康診断も一緒に行う場合は、病院併設タイプはオススメ。

病院で診察中の猫

6)お泊まり前のペットの準備

いつも一緒にペットといたいと思っていても、何らかの理由でペットを預けなければならない場面は必ずあります。

ですから、普段から「いざという時のお泊まり」に慣れさせておくのは、ペットのためにも必要なことです。

1.ケージに慣れさせる

ペットがケージに慣れていないなら、まずはケージに慣れてもらいましょう。

通常のペットホテルでは多くの時間をケージで過ごすします。
ただでさえ飼い主と離れるのに、ケージに慣れていないと大きなストレスを感じることになります。

まずはケージ内にオヤツやおもちゃ、快適な寝場所を用意して「ケージは安心」なんだと覚えさせてください。

2.ひとりでいることに慣れさせる

甘えん坊のワンちゃんの場合、留守番どころか、飼い主がおトイレに入るだけでクンクンと鳴いてしまう。

これではお泊まりどころではありません。
まず、留守番ができるようにしましょう。

「この子はさみしがり屋だから無理」と思っているのは飼い主だけで、ペットは順応性が高くとてもかしこいものです。

短い時間から少しずつ練習していきましょう。

おるすばん」といいきかせてケージに入れ、オヤツや好きなおもちゃを与え、姿を隠す。

1〜5分程度からはじめるといいでしょう。

ひとりでいればいいことがある、そう思わせることが肝心です。

戻ってきたらおもいっきり褒めてやることもお忘れなく。ペットにとって飼い主に褒めてもらうのが一番のご褒美だからです。

3.他の人に慣れさせる

家の中に他人が入ってくると吠える、これは犬種よっては本能ですし番犬としての役割を果たしてくれる大切な習性です。

しかし、どこへいっても他の犬に吠えかかったり、人が近寄ってくるだけで怖がったり、唸ったりするようでは困ります。

ふだんから他の人やペットと接する機会をつくるように心がけましょう。

もちろん、犬以外の他のペットでも同じことがいえます。

4.予防接種を受けておく

狂犬病の予防接種は法律で義務づけられているのであたりまえですが、三種混合ワクチンを受けていない子は預かってくれない施設が多くあります。ワクチン接種を習慣づけ、接種後は証明書を発行してもらうようにします。

ワンちゃんと同伴できるテーマパークなどでも証明書は役に立ちます。

5.いつものゴハンやおもちゃを用意する

ペットホテルに預けるときは、いつも与えているペットフードを決まった量だけ用意します。

「なんでも食べるから大丈夫」な子でも、預けられたことがストレスになり慣れないゴハンを受け付けない場合があります。

お気に入りのオモチャや、いつも寝ている寝床なども一緒に預けてやると、少しでもストレスを取り除いてやることができます。

7)ペットホテルに預ける前に飼い主がやっておきたいこと

ペットのお泊まりの準備が整ったところで、次は預ける施設側をチェックしておきましょう。

1.事前に泊まる場所を見せてもらう

ロビーやフロント、診察室やトリミングルームだけではなく、実際にペットが泊まる場所を確認させてもらいましょう。

他のペットもいますから」などの理由で見学をさせてくれない施設は利用するべきではありません。

ケージや部屋の広さ、運動スペース、衛生状態など説明通りかチェックしてください。

2.普段のサイクルを伝えておく

いつもの食事の時間、散歩のタイミングと運動量(近場であればコース)、アレルギーなら与えてはいけないもの、常用している薬など、普段の生活サイクルを担当してくれるスタッフに伝えます。

そのためにも、担当してくれるスタッフに会わせてくれるよう希望しましょう。

3.万が一の対応

万が一、ペットが怪我をしたり、病気になったり、あってはならないことですが死んでしまったりしたとき、どういった対応をしてくれるのか事前に確認してください。

ペットを引き取った後にホテルで感染症にかかっていた、ということもありますから、口頭ではなくきちんと文章で契約を交わしておきましょう。



まとめ

ペットホテルは、いざというときにペットを安心して預けることのできる場所です。

しかし、どんなに設備が整っていても慣れない場所に預けられるのはペットにとってはストレスです。

ペットホテルを利用するときは、その場所があなたの大切なペットにふさわしいところなのか、しっかりとチェックすることを忘れないでください。