【犬種】甲斐犬とは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

散歩中の甲斐犬龍馬

ワイルドな虎毛(とらげ)がかっこよく、国の天然記念物にも指定されている一代一主の犬「甲斐犬(かいけん)」。厳しい地形の山岳地帯で狩猟のよきパートナーとして発達してきました。
今回はそんな甲斐犬の性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。


甲斐犬の性格の3大特徴。飼い方としつけのコツ

1)甲斐犬とは?

1. 甲斐犬の紹介

横を向いた虎毛の甲斐犬甲斐犬の原産地は日本の甲斐地方です。南アルプスで猪や鹿狩りに使われていた猟犬です。

被毛が虎毛であることから「甲斐虎毛犬(かいとらげいぬ)」の別名があります。

血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ5(原始的な犬&スピッツ)に属する中型犬です。

※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。

2. 簡潔な歴史

甲斐犬の歴史は、約4千年前に東南アジア地方から狩猟民族と一緒にわたってきたといわれています。山岳地帯にある山梨県甲斐地方で、猪、鹿、キジ、小動物などの猟犬として使われていました。

山梨県甲府地方検察庁に赴任した安達太助1931年に甲斐犬の保護を目的とした「甲斐日本犬愛護会」(現在の甲斐犬愛護会)を設立しました。

甲斐犬は1934年に国の天然記念物に指定されています。

3.名前のルーツ

甲斐犬の名前のルーツは、山梨県甲斐地方の犬であったことに由来します。

名前の正しい読みは「甲斐犬(かいけん)」で、「飼い犬(かいいぬ)」と混乱しないように命名されました。

英語では「Kai」または「Kai  Dog」と表記します。

4.平均体高・平均体重

ジャパンケネルクラブによると甲斐犬の平均体高は、オスが47~53cm、メスが42~48cmです。
※体高とは犬の肩までの高さです。

平均体重は、オスメスともに14kg~16kgの中型犬です。

オス

  • 平均体高:47〜53cm
  • 平均体重:14〜16kg

メス

  • 平均体高:42〜48cm
  • 平均体重:14〜16kg

甲斐犬と人間の比較

150cmの女性との比較

5.日本で飼育されている数

日本で飼育されている甲斐犬の飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみたところ、登録数は146頭です。

2017年犬種別犬籍登録頭数(ジャパンケネルクラブ)

犬全体の登録数が295,910頭ですから、全ての犬種に占める甲斐犬の割合は約0.04%と、稀少な犬種として大切に育てられています。

人気の犬種ランキング・ベスト133種【2018年最新版】

6.飼いやすさの目安

書籍「人気の犬種図鑑」を元に甲斐犬の飼いやすさの目安を紹介します。

社会性・協調性がある ★★☆☆☆2
健康管理がしやすい ★★★★★5
初心者向き ★★★☆☆3
噛み癖がつきにくい ★★☆☆☆2
訓練されるのが好き ★★☆☆☆2
物覚えがいい ★★☆☆☆2
飼いやすさの目安:16/30
参考:人気の犬種図鑑

ペットショップでの購入価格

甲斐犬の購入価格の相場は、15万円前後です。ペットショップではほぼみかけない犬種なので、甲斐犬のブリーダーから直接購入することになります。
ブリーダーとのタイミングがあわず、どうしても手に入らない場合は、甲斐犬愛護会などに問い合わせてみましょう。

甲斐犬愛護会東京支部

その他にかかる初期費用

  • 混合ワクチン……16,000円
  • 狂犬病予防接種… 3,500円
  • 健康診断………… 3,000円
  • 畜犬登録………… 3,000円
  • 飼育グッズ………30,000円
初期費用は205,000円前後

この犬と暮らしたい!でも手持ちが、そんな時のペットローン

甲斐犬のタイプ

1.毛色

甲斐犬の毛色は、ブリンドル(虎毛)で黒虎赤虎3種類です。
また、幼犬のときは一色でも、成長につれて虎毛に変化することが特徴です。

被毛は上毛は固く直毛で、下毛は柔らかく密生しています。

2.体型

甲斐犬には体型によって2つのタイプがあり、細身の鹿犬型と、がっしりした猪犬型に分けられます。

猪犬型は、尾の先が拝むように垂れた「拝み尾」といわれる大きな尻尾が特徴です。
現在は猪犬型は絶滅したとされ、多くの甲斐犬が鹿犬型となっています。

甲斐犬の性格の4つの特徴

1.忠実

甲斐犬は他人には興味を示さず、飼い主だけに生涯尽くす「一代一主の犬」です。
日本犬らしく忠誠心の高い性格をしています。

2. 判断力

甲斐犬はその場の状況に応じて判断できる能力を持っています。
甲斐犬はもともと自身の判断で賢く獲物を追い詰める猟犬として活躍してきました。そのため、飼い主の状況や考えを常に先読みするようなところがあります。

3. 警戒心

甲斐犬は「一代一主」、知らない人にはなかなか心を許さない警戒心の強い犬種です。無駄に騒ぐことはありませんが、不審者を撃退しようとするので番犬として最適です。

4.賢い

甲斐犬はとても賢く物覚えも早い犬種です。

甲斐犬の頭の良さは昔から知られていて、太平洋戦争当時の日本軍がその賢さを利用して軍用犬として訓練しようとしたという逸話があります。
実際、訓練のスピードは早く、ほとんどの甲斐犬が、賢い犬種として有名なシェパードの半分の時間で訓練を終了したそうです。ただし、そこは一代一主の犬、子犬の頃から育てられたわけではないので、すべての犬が脱走してしまったとか。

オスとメスでの性格の違い

1.オス

甲斐犬のオスは、メスに比べて警戒心が強くて気性が荒い傾向があります。
しかし、一度飼い主に心を許すとメスより忠実になります。

2.メス

甲斐犬のメスは、オスに比べて落ち着いている傾向にあります。
個体差はありますが、一般的にはメスのほうが扱いやすいといわれています。

甲斐を飼うのに向いている人

1. 犬を飼うことに慣れている人

甲斐犬は上級者向きの犬なので犬を飼うのに慣れている人が飼うことに向いています。生まれ持った気性の強さがありますので、いざというときにコントロールできるように十分訓練しておく必要があるでしょう。

2.時間をかけられる人

ワイルドな外見の甲斐犬ですが、飼い主には甘えん坊でとても性格のよい犬です。
運動好きなのでたくさん散歩や遊びに連れて行ってください。たっぷり愛情と時間をかけて飼育できる人に向いているでしょう。

3.責任を持って飼える人

特に甲斐犬は、飼い主に慣れると他人に懐きにくい性質を持ちます。
他の犬にもいえることですが、最後までしっかりと責任を持って飼える人でなければいけません。安易な気持ちで迎え入れても後悔することになってしまいます。

虎毛甲斐犬の伏せの姿

しつけの3つのコツ

1.十分な社会化

甲斐犬は見知らぬ人に対して強い警戒心を持っています。
生後3~4ヶ月くらいまでに外に出かけたり、なるべく人に慣れさせるようにしましょう。社会化が十分に行われていれば、他人や他の犬にも落ち着いて接することができるようになります。

犬の「社会化」とは?必要な理由とトレーニング方法まとめ

2. 噛みつき

甲斐犬は、幼い頃から噛み癖をつけさせないように注意しましょう。
間違ったことには適切なタイミングで注意し、よくできたらオヤツなどを与えてしっかりと褒めてあげてください。また、甲斐犬のしつけには、混乱させないように一貫性を持たせるのも大切なことです。

3. 信頼関係

甲斐犬には、基本的な指示に従えるようにする服従訓練をしっかり行うとよいでしょう。それには、信頼関係が非常に大切になります。普段からスキンシップを行って十分な信頼関係を築いてください。

甲斐犬の飼い方で注意すべきこと

1. 運動

疾走する虎毛甲斐犬甲斐犬は、元々猟犬だったため運動量の多い犬種です。毎日朝夕、1回につき30分以上行うのがよいでしょう。その他に、自由に走らせたり登山などのアウトドアに連れていくのも効果的です。

運動量が足りないとストレスが溜まり、問題行動を起こしがちになります。

2. ブラッシング

スリッカーブラシ甲斐犬の被毛は、硬い上毛と柔らかく密に生えた下毛の2重構造になっています。抜け毛は多いですが短毛なので、比較的お手入れは簡単です。
とはいっても年に2回の換毛期には抜け毛が多くなりますので、まめにブラッシングを行いましょう。

3.飼育環境

甲斐犬は、寒暖差のある山岳地帯に適応した犬種ですので、暑さ寒さにも対応できます。そのため外での飼育に適している犬種ですが、マンションでの飼育も可能です。
屋外では、夏は涼しくて風通しのよい場所を作ってあげたり、冬は日のあたる場所で飼育したりと気温に合わせた環境作りを心がけましょう。
最近の猛暑はさすがに厳しいので、状況に応じて室内に入れてあげるなどの対処が必要です。

甲斐犬が気をつけたい病気

甲斐犬の飼育の際に、気をつけるべき病気をご紹介します。

1. 悪性腫瘍

甲斐犬はもともと丈夫な犬種なので遺伝的な疾患は少ないとされています。
しかし、どんな犬種でもいえることですが、シニアになればガンなどの悪性腫瘍のリスクが高まります。

早期発見のためにも、年に1回(シニア犬は2回)の定期的な健康状態のチェックを行うことをおすすめします。

2. 中耳炎

中耳炎は耳の中で菌が繁殖し、中耳に炎症が起こり、首をしきりに振る、耳を痛がるなどの症状が見られます。外耳炎の感染が拡大して発症することが多いようです。
定期的な耳の状態チェックと耳を清潔に保つようにしましょう。

犬の「耳そうじ」は必要?耳そうじの方法まとめ

3. 皮膚疾患

甲斐犬はアトピーなどのアレルギー性の皮膚疾患を起こしやすいといわれています。

投薬の他に、食事を改善したり、定期的なブラッシングなどで皮膚を清潔に保つことが予防に効果的です。

4.誤飲

甲斐犬に限らずワンちゃんの誤飲は家の中や外、どこでも起こる可能性があるます。日頃から飼い主さんが気をつけてあげましょう。散歩中は落ちているものを食べないしつけをしてください。

家の中では、ワンちゃんが口にしそうなものを床などのワンちゃんが届くところに置かないように心がけましょう。口をパクパクしていたり、吐こうとしても何も出てこない様子がみられたら、すぐに治療が必要です。急いで動物病院で受診しましょう。

犬の誤飲・誤食の対処法まとめ

治療費の目安

参考ですが、各病気の治療費をご紹介しておきます。
動物病院は自由診療なので、治療費は地域や病院によって前後します。近所で実際に犬を飼っている方の口コミを参考にしましょう。
もしあまりにも高額な場合はセカンドオピニオンも検討してください。

初診料:1200円
皮膚疾患:
3万〜5万円
中耳炎:
平均1万2千円/初診
誤飲:
手術3~6万

甲斐犬にオススメのペット保険

虎毛甲斐犬の顔アップ甲斐犬は丈夫で健康的な犬種です。遺伝的な疾患もなく、若いうちは病気らしい病気をしないためペット保険は不要に思えるかもしれません。

ただ、歳をとってから保険に入るのは難しいですし、若くても病気にかかってしまう犬もいます。
また甲斐犬は勇敢な性格だけに怪我をしてしまう可能性もあります。

ペットの治療費は人間と違って100%払わなくてはなりません。
例えば骨折の治療だけで10万円ということも珍しくないのです。

ですから、いざというときのためにもペット保険に入っておくことは重要です。
ただし、補償が80%100%もあるような月々の支払いが高い保険では、丈夫な甲斐犬では保険料のほうが高くついてしまいます

通院も入院も保険対象の補償50%くらいの保険に入るとコスパが良いでしょう。

いろいろ考慮すると甲斐犬にオススメのペット保険は『PS保険』です。

ペットサポートのPS保険

『PS保険』では免責金額最低診療費の制限がありません!

しかも他の保険のように診断書や血統書、体毛といったものがなくても、インターネットで簡単に申し込めるのもポイントです。

月々の保険料が安い『PS保険』が気になった方は、公式サイトでぜひ資料をご請求ください。

初心者向け!ペット保険の基本と失敗しない選び方

甲斐犬がケガをさせた場合には?

逆に甲斐犬がケガをさせることを心配するなら、個人賠償責任保険に入ることをおすすめします。

ただし、わざわざ専用で保険に入る必要はありません。

あなたの生命保険や自動車保険などいろいろな保険の特約でついている場合があります。また保険以外にクレジットカードにもこの特約がついている場合があります。詳しくは「ペットのトラブルに使える!個人賠償責任保険とは?」の記事をご覧ください。

ペットのトラブルに使える!個人賠償責任保険とは?

甲斐犬の平均寿命

甲斐犬の平均寿命は12〜16年くらいです。

今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、より寿命は長くなります。

人間と甲斐犬の年齢比較表

甲斐犬 人間
新生児期 1ヶ月 1歳
社会化期 3ヶ月 5歳
6ヶ月 9歳
成長期 9ヶ月 13歳
1歳 15歳
成犬期 2歳 24歳
4歳 32歳
6歳 40歳
8歳 48歳
9歳 52歳
シニア期 10歳 56歳
12歳 64歳
14歳 72歳
16歳 80歳
18歳 88歳
20歳 96歳

甲斐犬の年齢計算式

甲斐犬は、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。

年齢 = 24+(犬の年齢-2年)×4

ペットにする喜び、甲斐犬を飼う魅力とは

1. 野性味あふれる犬

甲斐犬の魅力は、身体能力が高くて野性味あふれるところかと思います。山岳地帯に住む犬らしく四肢が丈夫で筋肉がよく発達しています。また、病気が少なく日本犬の中でも寿命が長い犬種です。

2.日本犬らしい魅力

甲斐犬は、献身的で控えめながらも空気を読んでくれる、いわゆる日本犬らしい魅力を持っています。一度甲斐犬の魅力にハマると、他の犬は飼えないという飼い主さんが多くいるようです。

 

まとめ

1)甲斐犬の毛色は、黒虎、赤虎、虎の3種類、体型では鹿犬型、猪犬型に分かれていたが猪犬型は絶滅したとされている。

2)甲斐犬の性格の4大特徴は、忠実、判断力、警戒心、賢さ。

3)甲斐犬のオスとメスでの性格の違いは、オスは警戒心が強く気性が荒いが忠実、メスは落ち着いていて扱いやすい傾向。

4)甲斐犬を飼う人に向いている3つのポイントは、犬を飼うことに慣れている人、時間をかけられる人、責任を持って飼える人。

5)甲斐犬のしつけの3つの重要ポイントは、十分な社会化、噛みつき、信頼関係。

6)甲斐犬の飼育に関しての3つの注意点は、運動、ブラッシング、飼育環境。

7)甲斐犬が気をつける病気は、悪性腫瘍、中耳炎、皮膚疾患。

8)甲斐犬を飼う魅力とは、野性味あふれる犬、日本犬らしい魅力。

甲斐犬の基本データ

英語表記 Kai
愛称 甲斐
原産国 日本
サイズ 中型犬
体高 オス:47〜53cm
メス:42〜48cm
体重 14〜16kg
毛色 ブリンドル(黒虎、赤虎、虎)
寿命 12〜16歳
価格 15万円前後
このページの丸い写真は、クリックすると大きな画像をご覧になれます。

参考文献

甲斐犬に関連する記事

犬の飼育に関連する記事

犬に関する記事まとめ
こちらのページでは、当サイト「ペットナビ」で紹介している犬の「しつけ」や「悩み」「病気」に関する記事をまとめています。 また、犬種別のしつけや性格の記事もありますので、気になる方はぜひご覧ください。